橋本晃佑

『ストレッチ4』としての役割を完遂し勝利に貢献

宇都宮ブレックスは週末に行われたシーホース三河戦に勝利し、連勝を5に伸ばした。

2試合ともに終盤までもつれる接戦となったが、昨日の第2戦は三河の鈴木貴美一ヘッドコーチが「どっちに転ぶか分からないところで橋本(晃佑)君に思い切り3ポイントシュートを決められて焦ってしまった」と語ったように、同点で迎えた残り1分13秒に橋本が沈めた3ポイントシュートが試合の勝敗を決めた。

橋本は「感情はあまり出さないほうなので恥ずかしいんですけど」と照れながらも「勝ちに繋がったと思うので、勝負どころで決められたのですごくうれしかったです」と笑顔を見せた。

試合終了後、駆け寄ってきた遠藤祐亮に頭をはたかれる手荒い祝福を受けた。橋本が3ポイントシュートを沈めた直後、遠藤はダメ押しとなる速攻を決め勝利の立役者となった。それでも遠藤がそうした行動に出たのは、今日のヒーローが誰だったかを分かっていたからだろう。

橋本は15得点7リバウンド4アシストを記録。ジェフ・ギブスと竹内公輔をケガで欠き、シャブリック・ランドルフも出場できず、外国籍選手はライアン・ロシターのみ。『オン0』の時間帯もあった苦しい状況で、チームを救う活躍を見せた。

宇都宮ブレックス

過去最長のプレータイム「充実感しかない」

自身が強みと言う3ポイントシュートは5本中3本を成功させた。試合を決めた3ポイントシュートについては「僕がスクリーンに行くと相手はスイッチするので、そこでうまく1対1をしながら。昨日から3ポイントの調子が良く、自信があったので思い切り打ちました」と話し、『ストレッチ4』としての役割を完全に体現した。

過去最長となる35分間のプレータイムとなったが「2つ勝てたので充実感しかないですね」と、会心の勝利で疲労は感じないと言う。

普段は3番ポジションでプレーしているが、安齋竜三ヘッドコーチが「4番のほうがオープンなシュートが打てるのはやる前から分かっていた」と言うように、シュートレンジの広さとスピードのミスマッチを使って外国籍選手とのマッチアップを制した。

橋本自身も「ピック&ポップでワイドオープンで打てることが多いので、4番のほうがやりやすいです」と言う。だが、安齋コーチが「ウチのチーム事情的にも、そこ(3番)でステップアップしてほしい」と言うように、宇都宮にはギブスと竹内というリーグトップクラスのインサイドプレーヤーがいるため、橋本には3番でのプレーが求められる。

苦肉の策ではあったが、橋本を4番に据えてロシターを中央に置くゾーンディフェンスは機能したように見えた。それでも、安齋コーチからしてみれば「外国籍に対するディフェンスやピック&ロールに対するディフェンス、リバウンドや走力も竹内のほうがまだまだレベルが高い」と、特に守備面では竹内に後れを取っているのが実情のようだ。

橋本晃佑

「僕が3番をこなせれば、できることが増えてくる」

日本代表を長年務める竹内の安定感には及ばないかもしれない。だが、この2試合で4番でも通用することを証明した橋本が、3番ポジションでも同じようなパフォーマンスができるとなれば、宇都宮の強さはさらに増すはずだ。

橋本は言う。「ディフェンス面の課題を克服して、3番ポジションのピック&ロールも自分のモノにしていきたい。僕が3番をこなせるようになれば、チームとしてできることがもっと増えてくると思うので」

安齋コーチも「ケガ人が戻って来たら、さらに良くなっていくように。いつでも全員でそういうところに取り組んでいくことができるチームになっていけば、今年もまた上に行ける可能性がある」と、この2試合を終えて大きな手応えをつかんだ。

外国籍選手がロシターのみの状況でも三河に競り勝った宇都宮。橋本の4番起用が通用することを証明したとともに、橋本の成長がさらに宇都宮を強くしていくことが分かった2試合となった。