ビハインドが続く中でも集中を切らさず、混戦を制す
開幕からここまで3勝2敗の宇都宮ブレックスは、今シーズン初のホームゲームにシーホース三河を迎えた。一昨日のゲームに続いてジェフ・ギブスと竹内公輔を故障で欠く状況、三河の強力オフェンスにどう対処するかが注目された。
試合は第1クォーターからダバンテ・ガードナーのバスケット・カウント2発に岡田侑大が3本の3ポイントシュートを含む5本のシュートをすべて沈めて13得点と、三河のオフェンス力が爆発。それでも宇都宮はここから全員のハードワークで巻き返す。リバウンドにはガード陣も含めて全員が飛び込み、オフェンスでは素早くボールを回すことで良いシュートチャンスを作っていく。ただボールを回すだけでなく、そこに絡むどの選手も打つ意識を出してくるため、三河のディフェンスは狙いどころを絞ることができず後手に回ることになった。
さらに宇都宮にとって大きな優位となったのは4番ポジション、橋本晃佑とクリス・オトゥーレのマッチアップだ。橋本がオトゥーレ相手に1on1で負けず、攻めに転じればアウトサイドに開いて第2クォーターに3本の3ポイントシュートすべてを沈め、ライアン・ロシターの負担を軽減するだけでなく自分も結果を出す素晴らしいパフォーマンスを披露。その橋本の自身3本目の3ポイントシュートが決まった時点で49-47、長いビハインドの時間を耐えて逆転に成功した。
それでも、この試合を通じて40得点を記録するガードナーを止められずに終盤まで接戦が続く。第4クォーター残り7分、リスタートで自分をフリーにする三河のイージーなミスを突いて3ポイントシュートを決めた遠藤が、続くポゼッションでも橋本のスクリーンでフリーになった一瞬を見逃さず3ポイントシュートを沈めて78-74と宇都宮が突き放す。
しかし三河はここからガードナー怒涛のアイソレーション連発。これがどうしても止められない。変則的なステップにトラベリングがコールされず、自分たちの当たりがディフェンスファウルを取られるために、ロシターを始め栃木の選手たちはフラストレーションを溜めるが、ここで感情をコントロールして続くプレーに引きずらなかったことが終盤で差を生み出した。
三河はガードナー以外の選手が個性を発揮できず
残り3分、ガードナーの得点で一度は逆転を許すものの、この勝負どころで宇都宮は集中力を一段階高め、逆に三河にはミスが続いた。スローインのミスでポゼッションを簡単に失い、比江島慎がかつての盟友である桜木ジェイアールをかわしてレイアップをねじ込む。続くポゼッション、鵤誠司の3ポイントシュートがリングに嫌われたところで、ボールウォッチャーになる三河の選手の間に飛び込んだ比江島がオフェンスリバウンドを奪取。ここからオフェンスを作り直して鵤のスクープショットへと繋いだ。
さらに残り1分、栃木はピック&ロールでスイッチをうながし遠藤とガードナーのマッチアップを作り出す。試合を通じて大暴れしたガードナーだが、アウトサイドで遠藤を抑えるのは無理というもの。遠藤が決めた3ポイントシュートが決定打となり、92-86で宇都宮が激闘を制した。
宇都宮にとってハイペースな点の取り合いは『自分たちの形』ではない。それでも打ち合いに応じながらリバウンドではギブスと竹内が不在にもかかわらず、宇都宮の36-35と互角の勝負を演じた。36分間出場のロシターが13と中心となったが、橋本と比江島が5、遠藤が4と日本人選手がリバウンドに身体を張ったことが、押される時間帯の粘りを生んだ。
三河は40得点のガードナー依存が明確に。3ポイントシュートの試投数は宇都宮の37に対して19と約半分で、金丸晃輔が無得点、川村卓也が2得点と実績のあるシューターが沈黙した。またフリースローの試投数はガードナーが9で、あとは川村の2つのみ。ガードナー以外にリングにアタックする選手がいないことが競り負けての敗戦を招いた。岡田だけでなく熊谷航、長野誠史が自信を持ってプレーできているのは収穫。明日の第2戦でどのような対策を打ってくるかが注目される。
10月19日のB1 9試合の結果
宇都宮92-86三河
A東京93-100京都
横浜64-74島根
千葉73-83川崎
富山76-81大阪
三遠72-87SR渋谷
新潟 – 北海道
滋賀 – 名古屋D
琉球 – 秋田
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