女子アジアカップは今日から決勝トーナメントへ、3連覇を目指す選手たちの決意は「オーストラリアと再び決勝で!」

2017/07/27
日本代表
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文・写真=小永吉陽子、FIBA.com

若返りを図りながらもAKATSUKI FIVEは3連覇を目指す

女子アジアカップは大会4日目。予選ラウンドが終わり、一日の休養を挟んで今日から決勝トーナメントが始まる。

日本代表はまさしく『育てながら勝利を目指す』大会を戦っている。昨年のリオ五輪から5名の戦力が入れ替わった分、年齢もキャリアも若返った。そんな中で、試合をこなしながらチームを作り上げている状態だ。

アジアを連覇し、チームを牽引しているキャリア組の吉田亜沙美、大﨑佑圭、髙田真希からは「アジアの大会を戦うのは難しいとあらためて感じている」という声も出てきている。2013年大会はケガから復帰した渡嘉敷来夢が加わった大会で43年ぶりにアジアを制覇。2015年大会はオリンピックの切符を取るために『何が何でも優勝』とチームが一つになって連覇。ここ数年はチームが前に前にと向かう勢いがあった。

そしてリオ五輪を経て、チームはさらに若い血を交えながらも、東京五輪に向けてチームを再構築しているのが現在地である。そんな中で、今大会からは世界ランク4位のオーストラリアが加入。若返りながらも3連覇を目指し、かつライバルが増えている中で、日本の走る展開が完全に出せていないことに難しさを感じているのだ。

そうしたチーム作りの難しさを感じながらも、オーストラリアがアジアに参戦したことについては「日本のレベルアップのためには必要なこと」という言葉が選手たちから出てきているのは、リオ五輪で世界の強豪たちと渡り合ってステップアップした証。そしてチームは長岡萌映子、宮澤夕貴、藤岡麻菜美、町田瑠唯ら若手に思い切りの良さが出てきている。オーストラリア戦の第4クォーターに躍動したのが若手であるということは、未来を切り開いている最中だということ。まだ完全ではなくとも、成長しながら突き進んでいけばいい。

「オーストラリア戦に負けたけれどヘッドダウンする必要はない。オーストラリア戦は日本のやりたいバスケは20分しかできなかったが、決勝トーナメントからはそれを最初からできるように、そして40分を通して、走ってディフェンスできるようにしたい」とトム・ホーバスヘッドコーチが言うように、気持ちは切り替わっている。

ここからは負けたら終わりの一発勝負。決勝トーナメントに向けては、日本のやるべきことを再確認することが必要だ。決勝トーナメントに向けてスタートメンバーたちの声を紹介したい。

吉田亜沙美「アジアでオーストラリアを倒さなくては」

オーストラリア戦は相手が強かった。自分を含めたスタートの何人かがダメな状態で、その中で10点差以内だったのは、負けたことはダメですけど、これからの決勝トーナメントに向けて勢いづけるゲームになったと思います。

オーストラリアは日本戦以外はそんなにシュートは入ってなかったんですけど、日本戦にでは気持ちの入れ方が違いました。やはり世界4位の強さがあるチームで、アウトサイドもインサイドも強いです。それを、どちらかに絞らせて戦わなければならないのに、両方でやられてしまいました。オーストラリアはこれからアジアの準決勝や決勝で戦う相手になるので、この課題を乗り越えないといけません。

でもアジアにオーストラリアが入ったことは、日本がレベルアップするためにはとても意味のあること。世界との差を縮め、世界でメダルを取るには、ここアジアで倒さなければならない相手だと思う。

スタートメンバーがダメな時にベンチメンバーが出てきてエネルギーを出す。ベンチメンバーがダメな時はスタートが支えるのが『チーム』という意味では、徐々に日本らしさは出てきています。決勝トーナメントでは、ディフェンスをもっとアグレッシブにいくことがキーになります。

髙田真希「日本のバスケを40分出せるように戦いたい」

個人的には足の肉離れのケガから復帰したばかりで、不安がある中で大会に入りましたが、まずまず動けていると感じています。けれど、自分の役割についてはまだ完全にできていません。特にリバウンド面に物足りなさを感じています。もっとオフェンス・リバウンドに絡まなければならないし、ディフェンス・リバウンドでは、相手に当たって押し出して取らなければなりません。

若いメンバーは試合をするごとに成長していますし、合宿で練習するよりも、実際に公式戦で1試合することのほうが成長するんだと、すごく感じています。とくにオーストラリア戦では若いメンバーが主体となって積極的に攻めていき、相手に離されずに接戦に持ち込めたのは収穫。最初から第4クォーターのようなバスケをすれば勝てるという、日本のやるべきことをつかめるきっかけの試合になったと思います。

ここからは一試合一試合が大事。まずは目の前のチャイニーズ・タイペイに集中したい。まだ日本のバスケットができていないので、日本のバスケを40分出せるように戦いたいと思います。

大崎佑圭「ここからは開き直って日本の良さを出したい」

予選ラウンドの3試合を振り返ると、チームでは気持ちの面でも、プレーの面でも、まだまだ日本のいいところが見せられると思うし、私個人ではトムが私に求めている仕事がまだできていません。力が入りすぎて、自分らしい点の取り方ができていないです。オーストラリア戦では、第4クォーターに速い展開から日本の持ち味が出せて、ネオ(藤岡)やアース(宮澤)の『個人の強さ』が見えて良い傾向になってきているので、今度は『チームの強さ』という良さを見せていかなくてはなりません。

決勝トーナメントでは、私自身がもっと良いシュートセレクションをして、得点を取っていきたいです。そのベースさえしっかりすれば、もう少しチームが落ち着くと思うので、自分のゴール下のプレーをしっかりすることを重視してコートに立ちたいと思います。

この3カ月間、合宿や遠征を繰り返してきて『トムが求めるバスケットを』と、みんなが100%以上の力を出して練習してきたので、もっと日本らしいプレーができるチームだという自信はあります。オーストラリア戦の負けでチームに火が付いたので、まだ出せていない日本らしい、自分たちがやってきたバスケットを開き直って決勝トーナメントで出したいと思います。

長岡萌映子「決勝でオーストラリアにリベンジする」

個人的にフル代表としてアジアを戦うのは高校以来で久しぶりなので(高校3年生で出場した2011年のアジア選手権以来)、韓国がどんなチームだったか、中国がどんなチームだったかというのが分からず、初戦は構えて入ってしまいました。アジアは小柄な分、クイックネスがあり、韓国は特にシューターが多くてオフボールの作り方がうまいので、世界を相手にするディフェンスとは全然違う。そんな中で韓国戦は積極的に攻めることができたと思います。

けれど自分はオーストラリア戦の内容が悪かった。オーストラリア戦はアース(宮澤)とネオ(藤岡)がすごかった。それに自分も負けていられないです。この借りはこの大会中に返したいのでヘッドダウンしないでやります。また決勝でオーストラリアにリベンジするのが私たちの次の目標なので、もう一回気を引き締めてやりたいと思います。

自分がこのチームでプラスになることはエネルギーを出してチームを活気づけること。勢いづけられるプレーを決勝トーナメントの一発目からやりたいと思います。

近藤楓「シューターとして自分の役割を果たしたい」

今大会はシューターが少ない中で、スタートを務めることになりました。スタートだから、ベンチメンバーだから、ということはあまり意識していないようにしているのですが、スタートで出るからには出だしで流れを作らないといけません。ディフェンスをして、走って、打てるところではどんどんシュートを狙っていこうと思っているのですが、この3試合ではまだ自分の力は出せていません。

チームとしては、アメリカやヨーロッパ遠征のときはスタートのメンバーでしっかり戦えていたのですが、今はセカンドで出てくるメンバーが流れを作っている状態なので、今まで練習してきたことが試合で出せていなと感じています。スタートでいい流れを作って、次のセカンドに引き継いでいく自分たちのバスケットができるように、出足の悪さを解消して、もう少し早い展開を出していきたいです。

決勝トーナメントでは一戦一戦が大事な戦いになります。今まで自分の仕事ができなかった分、準々決勝のチャイニーズ・タイペイ戦からチームにいい流れを持って行けるように、自分の役割を果たしたいと思います。