ドノバン・ミッチェル「48分間を通じて強い気持ちで」
『GAME7』の重圧にピストンズは屈してしまい、試合開始から気合いが空回りしてミスを連発。ターンオーバーがいくつかあっただけでなく、ディフェンスの連携ミスでイージーなチャンスを与え、オフェンスではボールロストには至らない小さなファンブルが続き、自分たちで攻めのリズムを悪くした。
そしてキャバリアーズは、出だしでつまずいたピストンズに立ち直る余地を与えなかった。連携ミスで空いたディフェンスの穴を確実に突き、外のシュートも好調。第1クォーターはピストンズがミスをしながらもハードワークで食らい付いたが、キャブズは第2クォーター序盤に10-0のランで2桁の点差を付け、その数分後にはリードを20点へと広げた。
「それまで3試合半、僕たちは素晴らしいプレーをしていたけど、第6戦は期待はずれの結果に終わった。結局のところ、そこからどう反応するかなんだ。アウェーの厳しい環境だったけど、48分間を通じて強い気持ちで戦うことができた」とドノバン・ミッチェルは語る。
気合いが空回りする相手をジェームズ・ハーデンが熟練のプレーメークで手玉に取り、ミッチェルは出だしから思い切りの良いドライブを連発して相手の出足を封じた。エバン・モーブリーとジャレット・アレンは、ジェイレン・デューレンの守るペイントエリアを制圧。2人の連続バスケット・カウントはピストンズの士気を打ち砕いた。
そして、『GAME7』のようなビッグマッチで必要な『秘密兵器』となったのがサム・メリルだった。ベンチから25分の出場で3ポイントシュート8本中5本成功を含む23得点。ミッチェルのドライブ、モーブリーとアレンのパワーにインサイドで押し負けていたピストンズは、外のシュートへのケアは薄くなった。そこでメリルが得点を重ね、キャブズは完全に優位に立った。
かつてジャズに所属していたミッチェルは、ユタ州立大でプレーしていた頃から知っているというメリルについてこう語る。「熱血漢のマックス(ストゥルース)とは逆で、静かに闘志を燃やすタイプだ。得失点差+22はシュートが当たっただけじゃないことを示しているよね。ケニー(アトキンソン)が彼を下げようとした時に『このまま』と口をはさんだくらい良かったよ」
No hesitation.
For three.
Through contact.
SPLASH!Sam Merrill (15 PTS, 5-7 FGM) extends CLE’s lead 🎯 pic.twitter.com/ATMIU7Dtb0
— NBA (@NBA) May 18, 2026
2020年の2巡目指名からキャリア6年目、30歳となったメリルにとっては、キャリア最高のパフォーマンスを『GAME7』で発揮する貴重な機会となった。「敵地での『GAME7』に勝つのは最高の気分だよ」と彼は興奮を隠せない様子で言った。
「ラプターズもピストンズも良いチームで、どちらも『GAME7』までもつれた。過酷な戦いだけど、試合を重ねる中で改善すべき点を見付けて、問題を解決してきた。こうした苦境こそがお互いを知り、信頼を深め、チームを強くすると思っている。そして、このチームには不屈の精神がある。心が折れそうな場面は何度もあったけど、そのたびに立ち上がった。次のニックスはさらに手強いけど、だからこそこの成長を続けなきゃいけない」
そしてメリルは、ミッチェルとの関係性を問われて、長らく続くコート内外でのサポートに感謝した。「大学でプレーしていた頃から面識はあったけど、僕がGリーグにいた頃に彼から声を掛けてくれた。その必要はないのに気に掛けてくれたことが本当にうれしかった。同じチームになってからは最高の友人だ。僕はユタ出身で、こどもの頃からジャズのファンだったし、彼のデビュー戦も、ルーキーイヤーに出たプレーオフの試合も現地で見た。キャリアを通じて応援して、その道のりを勝手に共有した気分になっていた僕が、一緒にプレーオフを戦っているんだ。この気持ちを言葉にするのは難しいよ」
「ミッチェルは正真正銘のリーダーだ。僕やマックスと『誰が練習場に一番乗りするか』を競い、過酷なワークアウトをこなす。そしてシーズンを通して前向きな姿勢でチームを引っ張り、必要であれば厳しい指摘もするけど、最後は必ず前向きな言葉で締めくくる。シーズンには苦しい時期もあるけど、彼がチームをまとめてここまで来れたんだ」
キャブズのカンファレンスファイナル進出は2018年以来で、『レブロン以後』の時代で初めてこの舞台へと戻って来た。ニックスはセカンドラウンドをスウィープで制して休養十分。2つの『GAME7』を乗り越えたキャブズとは対照的だが、メリルは「どちらが有利かは戦ってみないと分からないよ」と余裕たっぷりに語った。
