
「僕は敵地の観客の大歓声もプレッシャーも大好きだ」
ホークスはニックスとのファーストラウンド第1戦で完敗を喫した。迎えた第2戦も、ニックスがずっとリードする展開に。第3クォーター終盤、ニックスがジェイレン・ブランソンを下げた時間帯に反撃のきっかけをつかみたかったが、ここでブランソンに代わって入ったホセ・アルバラードが仕事人らしいディフェンスで、ホークスをリズムに乗らせなかった。
ホークスは若い力の爆発力が持ち味だが、経験が足りないだけにプレーオフの強度に苦労していたし、敵地のマディソン・スクエア・ガーデンの雰囲気に圧倒されてもいた。ジェイレン・ジョンソンは相手の執拗なマークを振り切れず、ニキール・アレクサンダー・ウォーカーは自分のリズムでシュートを打てず、ダイソン・ダニエルズもシーズンを通して磨き上げたフローターを打たせてもらえなかった。
ただ、ニックスに『付け入る隙』があったのも事実だ。完勝ペースだった試合を第4クォーターにひっくり返された原因を、指揮官マイク・ブラウンは「集中力を欠いた自分たちのせいだ」と言い切った。「1ポゼッションを争う試合でフリースロー10本を外した。14のターンオーバーから18失点を喫した。ボールを大切にして、フリースローはしっかり決めるという基本を疎かにしてしまった」
その『付け入る隙』を見逃さなかったのは、ベテランのCJ・マッカラムだ。若いチームメートたちがシュート不振に苦しむ中、試合を通じて32得点を挙げた彼は、28-15と巻き返した第4クォーターにも存在感を発揮した。
2日前、第1戦を落とした後の会見でマッカラムは「僕はこれまでプレーオフで70試合近くに出場してきたけど、やはりマディソン・スクエア・ガーデンの雰囲気は別格だ。でも、自分たちが何を成し遂げたいかと考えたら、そのプレッシャーを楽しまなければならない」と語った。それは、隣に座るジェイレン・ジョンソンへのアドバイスでもあった。「僕は敵地の観客の大歓声もプレッシャーも大好きだ。その環境でプレーできる栄誉を得るためにレギュラーシーズンを必死に戦ってきたんだ」
ニックス優勢の展開にマディソン・スクエア・ガーデンは大いに盛り上がっていた。若い選手たちがプレッシャーを感じる場面も多々あっただろう。それでもマッカラムが引っ張ることで、チームは劣勢に屈することなく挑み続けた。そして、ニックスが見せた『付け入る隙』をつかんで第4クォーターに巻き返した。
その逆転劇は、マッカラムのリーダーシップ、そしてシックスマンでありながら第4クォーターをフル出場したジョナサン・クミンガの、彼自身が「ディフェンスでトーンを作り、自分のプレーから周囲を巻き込んでフィジカルに戦うつもりだった」と説明する奮闘が不可欠だった。
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— Atlanta Hawks (@ATLHawks) April 21, 2026
チームを逆転勝利に導いたマッカラムは、あらためて「敵地の雰囲気が大好きだ」と微笑んだ。「敵地で勝利をつかみ、静まり返った中でコートから引き上げる。そこにはある種のリスペクトを感じるよ」
マッカラムのプレーオフ経験のほとんどはトレイルブレイザーズでのもの。それでも彼がブレイザーズを離れたのはもう5年前で、ペリカンズではプレーオフに出ても今回のようなビッグマッチは経験できなかった。今シーズン前半を過ごしたウィザーズは、プレーオフを目指してもいない再建チームだった。そんな環境でもあきらめずにベストを尽くし続けたからこそ、今の活躍がある。
「ただただ感謝しているよ」とマッカラムは言う。「ペリカンズでもウィザーズでも素晴らしい時間を過ごさせてもらった。そして今、ホークスでもプレーを楽しめている。人生の旅路をそのまま受け入れ、最善を尽くすのが僕のやり方だ。トンネルの先にはご褒美が待っている。僕にとってそれは、このガーデンでニックスと戦うことだった」
ホークスを率いるクイン・スナイダーは「私は長らくジャズを率いて西カンファレンスを戦っていたから、ブレイザーズ時代のマッカラムのリーダーシップをずっと見てきた。リーダーシップには、プレーで見せるものもあれば、言葉で伝えるものもあるが、彼はその両方を駆使してチームにたくさんのことを伝えられる」と、マッカラムの働きを称える。
「そして何より、彼はこのチームに加わった当初にベンチスタートを受け入れた。これが彼の人間性を何よりも表しており、コート上のパフォーマンスとは別の部分で若い選手たちのリスペクトを勝ち取った。得点を取れるのはもちろん分かっているが、それよりもディフェンスへの姿勢、チームメートを生かそうとする姿勢が、彼のリーダーシップを象徴している」
こうしてホークスは貴重な敵地での1勝を手にしてアトランタに戻る。ニックスは第1戦では勝敗に影響するレベルではなかったものの、第4クォーターに失速している。ブラウンを新たなコーチに迎えて選手層を厚くした今もスタミナが問題だとすれば、今後の戦いに向けた不安材料となる。
ただ、指揮官ブラウンはそれを認めなかった。「終盤はブランソンとCJのアイソレーションの応酬で、CJが決めて我々が外しただけのこと。CJを称えるべきだ。これが7戦シリーズの現実だ。1ポゼッション、1クォーター、1試合ずつ積み重ねていくしかない。今度は我々が敵地に乗り込み、勝たなければいけない番だ」