「苦しい時間でも立ち返ることができる強みがあります」
群馬クレインサンダーズは4月18日、19日とホームで宇都宮ブレックスと対戦、東地区首位の難敵相手にゲーム1は82-86で惜敗するも、ゲーム2は74-66とリベンジし1勝1敗で終えた。
シーズン前半戦は主力の度重なる故障によって思うように勝ち星が伸びない時期もあった群馬だが、後半戦に入ってメンバーが揃ってくると右肩上がりで調子を上げ破竹の勢いで13連勝を達成。惜しくも連勝は止まったが、宇都宮相手に勝敗だけでなく内容でも互角に渡り合えたのは収穫だ。
群馬の特徴は強度と規律を高いレベルで備えた堅守と、ベンチメンバーを含め試合の流れを変えられる爆発力を持った駒の豊富さだ。昨シーズンの群馬は、チーム初のチャンピオンシップ出場を果たしたが、初戦で三遠ネオフェニックスに連敗と早々にポストシーズンの舞台から去った。だが、カイル・ミリングヘッドコーチ2年目の今シーズンは、万能ビッグマンであるケリー・ブラックシアー・ジュニアの加入などタレントレベルが上がる中で、指揮官の戦術の浸透度も確実に向上。週末の戦いぶりが示すように、リーグ優勝を達成してもなんら驚きではない実力を備えている。
ベテランシューターの辻直人は、かつて川崎ブレイブサンダースで中心選手として活躍し、NBLで優勝を成し遂げ、Bリーグでもチャンピオンシップのファイナルやセミファイナルに出場。豊富な勝利の経験を誇るベテランは、今の群馬について「その時と近いものを感じることはあります」と確かな手応えを感じている。
「みんながそれぞれ責任感を持っていて、誰か一人が責任を背負うことはないです。そして、みんなが自分たちのバスケットを理解して、苦しい時間でもそこに立ち返ることができる強みがあります。長い時間、攻守ともに機能してきていると感じ、連勝しているから雰囲気が良いのではなく、しっかりとステップを上がれているから良い雰囲気になっていると感じています」

「今年にかける思いはやっぱり強いです」
辻は宇都宮との連戦でゲーム1に13得点、ゲーム2でも12得点を記録し、得失点はチームトップの+12だった。36歳のベテランになっても平均約20分のプレータイムを獲得と、リーグ上位の群馬で引き続き主力としてプレーしているのは特筆すべきことだ。
まだまだ衰えを感じさせない辻だが、それでもキャリアの終盤に差し掛かっている意識は確かにあり、今シーズンの優勝には強い思いを持っている。「20代の時だったら引退のことを全く考えていなかったですが、今はあと数年で引退もありえる年齢となりました。そうなると、あと数回しか優勝を狙えるチャンスはないです。そして来シーズンからは(Bプレミアとなって)ルールも変わるので、どういうチームになっていくのか自分もどんな状況になるのか分からないです」
また、主力としてプレーし優勝を勝ち取ることへのこだわりもある。「やっぱり、プレータイムがなくて優勝するのと、こうやって出してもらって優勝するのでは違ったうれしさがあると思います。もちろん来年もというところはありますが、本当に優勝のチャンスが次いつ来るのかはわからないです。今年にかける思いはやっぱり強いです」
学生時代から実業団時代と数々のタイトルを獲得してきた辻だが、Bリーグの優勝だけは果たせていない。個人としてもチームとしても、悲願のタイトル獲得へ確実に近づいている。
