ブランドン・イングラム

リズムをつかめず7得点、オフェンスの起点にもなれず

ラプターズはレギュラーシーズンでの対戦ではキャバリアーズをスウィープしているだけに、アップセットもあり得ると予想されたプレーオフのファーストラウンドですが、113-126、105-115という点差以上に完敗と言うべき内容での連敗スタートとなりました。この2試合を通じてキーポイントになっているのが、ブランドン・イングラムが封じ込まれていることです。

第1戦ではディーン・ウェイドに張り付かれてパスを受けることすらできず、特に後半はフィールドゴールアテンプトが1本しかありませんでした。通常のディフェンスとは異なり、イングラムとボールの間にポジションを取ってフェイスガードする守り方に対し、ラプターズはイングラムをスクリーナーにしたり、サイドラインに置くスペーサーとして活用しようとしましたが、普段やっていないプレーだけにほとんど機能しませんでした。

急な対応が求められた初戦とは違い、第2戦でのラプターズは中1日で対応策を準備してきました。試合開始直後のオフェンスで、ヤコブ・パートルのハンドオフスクリーンを使ってイングラムがボールをもらい、さらにヘルプに来るジャレット・アレンにもジャマール・シードのオフボールスクリーンが用意され、イングラムはフリーでジャンプシュートを打ちます。シュートは外れたものの、見事な修正でした。

ハーフコートをセットするシチュエーションでこのハンドオフスクリーンを使い、アレンがヘルプに来ればパスアウトで味方のチャンスを演出します。それでもワイドオープンで打ったシードの3ポイントシュートが決まりません。この試合のラプターズは3ポイントシュートの成功率が27%と低調で、プレー構築に成功しても決めきれないシーンが目立ちました。

また、ラプターズはパートルを外してコリン・マレー・ボイルズとサンドロ・マムケラシュビリを使ったスモール気味のラインナップで相手のヘルプディフェンスを難しくさせ、イングラムのポストアップから攻めるパターンを増やしました。ただ、これもキャブスがブラインドサイドからのダブルチームを仕掛けてミスを誘ってきたことで、なかなか機能しません。

速攻でダンクに行ってもエバン・モーブリーにブロックで叩き落され、やっとアイソレーションの形が作れてもドリブルに手を出してきたモーブリーによってターンオーバーを喫してしまいます。結局イングラムは15本のフィールドゴールを放ちながら、成功したのは3本のみ。フリースローを打つことはなく7得点に留まり、それ以上に5つのターンオーバーと苦しいプレーが続いてしまいました。

キャブスのディフェンスプランにハマり、2連敗となったラプターズ。第2戦ではしっかりと対応策を講じたものの、それはチームとしての崩し方を準備したに過ぎず、普段と異なるプレーを強いられたイングラム本人はリズムをつかめないままでした。

ホームに戻っての第3戦でどんな修正をしてくるのか、イングラムにとってはエースとしての資質が問われる試合となります。