ジュリアス・ランドル

「残り3分25秒は永遠と言ってもいいぐらいの時間だ」

ティンバーウルブズの指揮官クリス・フィンチとミネソタのファンは相次ぐ不利な判定に激怒していた。最終的に勝ったにもかかわらずフィンチは審判への不信感を隠そうとしなかった。

「ウチはペイント内で63本もシュートを打ったのに、フリースローは10本。相手はケビン・デュラントだけで12本だ。ジュリアス(ランドル)へのフレグラントファウルは見たことがない。ナズ(リード)のチャレンジについては際どい判定だったが、ジェイデン(マクダニエルズ)は試合を通してイリーガルスクリーンに耐えながらデュラントを守らなければならなかった」

アンソニー・エドワーズが膝のケガのため欠場するのはこれが6試合目。ルディ・ゴベアがファウルアウトになり、マクダニエルズは第4クォーター途中にケガをした。主力3人を欠く状況となって第4クォーター残り4分の時点で11点あったリードを失い、オーバータイムでは開始から0-13のランを浴びた。ここではリードが際どいオフェンスファウルを取られ、抗議で退場になっている。

「第4クォーターの最後にジュリアスが明らかなファウルを受けていたのに見逃された。選手たちはいら立ち、オーバータイムの序盤にはひどいプレーもあった。だが、精神的に立ち直り、プレーの強度を引き上げて、自分たちで勝利をつかみ取った。心から誇りに思うよ」とフィンチは言い、再び汚い言葉を使った。「第4クォーターで勝つべき試合を盗まれるところだった」

95-95で延長に入り、最初の2分間で0-13のランを浴びた。そこからのラスト3分で15-0のランを返しての逆転劇。記録が残っている1996年以降、オーバータイムでの最大点差からの逆転勝利となった。

コートに立つ全員が最後まで死力を尽くして戦ったが、その中でもジュリアス・ランドルドンテ・ディビンチェンゾの働きは際立っていた。「激しすぎる試合で、みんな疲れ切っていたよ。でも、あそこが勝負どころであり、力を振り絞らなければならなかった。そのために日頃から鍛えているんだ。13点差を付けられても自分たちを信じていた。1ポゼッションずつ最大限に集中して戦うだけだ」」とランドルは言う。

ディビンチェンゾは13点差を付けられた時のタイムアウトを思い出してこう語る。「残り3分25秒はNBAでは永遠と言ってもいいぐらいの長い時間だ。ディフェンスで相手を止め、オフェンスではジュリアスにボールを預けてチームプレーを遂行する。下を向く者は誰もいなかったよ」

それまでMVP級のプレーを見せていたマクダニエルズが下がった後はカイル・アンダーソンがデュラントのマークという難題を引き受けた。トレードされた後に解雇され、再びウルブズに戻って来たマイク・コンリーは、荒れた展開でもチームを結束させるリーダーシップを発揮した。一時期は迷走しかかったウルブズは、不思議なことにエドワーズ離脱のピンチを受けてチームとしての結束を取り戻した。

「アント(エドワーズ)の貢献も大きかったよ」とランドルは言う。欠場中のエドワーズはベンチから誰よりも大きな声を出し、どんなに劣勢でもチームメートを鼓舞し続けた。「あいつがチームをめちゃくちゃ盛り上げたんだ。心からチームのことを気に掛け、たくさんのアドバイスをくれる。僕も昨シーズンに、ケガで離脱していた時にメンタルの部分でチームを助けられることの重要さを学んだ。彼はきっと、復帰したらすぐに大活躍してくれるはずだ」