「選手側の視点で言えば、できる限り試合に勝ちたい」
ウォリアーズvsスパーズの西カンファレンス決勝は、第3戦までを終えてウォリアーズが3勝0敗とし、3年連続のNBAファイナル進出決定はもはや時間の問題となった。
スパーズにとって大誤算だったのは、エースのカワイ・レナードの離脱だ。第1戦で3ポイントシュートを放った際、ザザ・パチューリアの足に着地したことで左足首の捻挫が悪化。第2戦から欠場を続け、5月22日にホームで行なわれる第4戦もレナードは欠場する見込みだ。
東カンファレンスを圧倒しているキャバリアーズはセルティックスとの第3戦に敗れたものの、3年続けてファイナルでウォリアーズとキャブズが顔を合わせるのは、ほぼ確実と見ていい。
だが、ファン感情というのは難しい。常にスリリングで、プレーオフでは毎試合のようにブザービーターで勝敗が決まる展開を求めるもの。レナードがコートを離れた第1戦の第3クォーター以降、314-241でスパーズを圧倒しているというウォリアーズのすさまじい数字は、ファンから「退屈」と見なされている。
第3戦後の会見で、ファンのそんな感情について質問されたデュラントは「それってつまり、試合が面白くないと思っているということかな?」と逆に問いかけ、次のように答えた。
「ファンの気持ちは理解できるよ。そりゃあ競ったゲームのほうが面白いからね。プレーオフでは、第6戦や第7戦までもつれる年もある。ただ、そうはならない場合もある。選手としての視点で言わせてもらえれば、できる限り試合に勝ちたいし、素晴らしいプレーをしたい。もし試合が面白くないと思うのなら、見なければいいだけのことだよ」
辛辣な意見ではあるが、今シーズンのプレーオフを象徴する言葉でもある。デュラントが加入した西のウォリアーズの完成度もさることながら、レギュラーシーズンを捨ててまで『プレーオフ仕様』のチームを完成させた東のキャブズの実力も抜きん出ている。ただ、ファイナルでは文句なしのハイレベルな試合を期待していいだろう。
もちろん、追い詰められたスパーズとセルティックスが、こんな記事を目にして発奮することにも期待したい