「僕らはレブロンの復帰をずっと心待ちにしてきた」
レイカーズは10勝4敗と好スタートを切った。レブロン・ジェームズが坐骨神経痛でいまだプレーできておらず、他にもケガ人が相次いでいることを考えると、上々の滑り出しと言える。
現地11月14日のペリカンズ戦、翌15日のバックス戦の連勝は、ケガ人が多い中でチームの結束力を見せる意義あるものとなった。不振が続くペリカンズには2桁リードをキープする時間の長い完勝だったが、主力がリードを築くもベンチメンバーを投入すると失速した。終始リードする展開にもかかわらずルカ・ドンチッチが40分、オースティン・リーブスが39分と主力が休めなかったことは、選手層の大きな課題を感じさせた。
翌日のバックス戦では、八村塁がふくらはぎ痛で、マーカス・スマートが体調不良で欠場。それでもこの日は、「主力依存」と「ベンチの得点力不足」の課題に応えるようにベンチメンバーが奮起。得点はこの試合でもドンチッチが41得点、リーブスが25得点と両エースが引っ張ったが、ヤニス・アデトクンボを擁するバックスに119-95と大勝できたのは、ベンチメンバーの貢献なしではあり得なかった。
2巡目36位指名のルーキー、アドゥ・ティエロがデビュー戦で初得点を記録。チームメートたちは彼に記念のボールを渡すべく、規定通りにホームチームに試合球を渡そうとしたオフィシャルと掛け合い、ボールは無事にティエロの手に渡った。ニューオリンズからミルウォーキーへの移動を含む連戦の直後にもかかわらず、レイカーズの選手たちはティエロのためにもう一働きしたわけだ。
レイカーズは敵地での5連戦という過酷な遠征を強いられ、最初の3試合で2敗を喫したものの、ペリカンズとバックスに勝ったことで勝ち越してロサンゼルスに帰ってきた。今週はホームのジャズ戦があるだけでスケジュールに余裕がある。ここで選手たちは一息つけるし、レブロンの復帰が実現する。
坐骨神経痛を抱えて開幕前に十分な練習ができなかったレブロンは、「無理をさせない」というチーム方針に従ってスロー調整を続けてきた。先週はGリーグチームで練習し、間もなくレイカーズのチーム練習にも復帰する見込み。順調にいけば火曜のジャズ戦でプレーし、23シーズン目をスタートさせる。
ここまでのレイカーズは『ドンチッチとリーブスのチーム』として、決して簡単ではない状況で結果を出してきた。ここにレブロンが加われば、その状態がどうあれ戦力としてはプラスになるが、チームのバランスが崩れるリスクもある。
ヘッドコーチのJJ・レディックは数日前、「その影響は考えている」と語った。「1試合しか組まれていない週はレギュラーシーズンでは貴重なものだ。2日に1試合を戦うスケジュールだと、試合当日は夜中の3時まで試合を振り返り、翌日もまた3時まで次の試合の準備に費やすんだからね。この1週間は、選手それぞれの現状を評価し、次に取り組む課題を明確にすることに費やす。そこでレブロンをどう組み込むかについても、深く検討できる」
ジャレッド・バンダービルトは「一般的に、シーズン途中に選手がチームに加わるのは難しいものだ。でも、僕らはレブロンの復帰をずっと心待ちにしてきた。いつ戻って来るにしても、このチームに必要なものを確実に提供してくれるという信頼感がある」と語る。
レイカーズ以外にも、ロケッツ、ナゲッツ、スパーズと好調なスタートを切ったチームはある。しかし、好調とは主観的なもので、王者サンダーとの比較ではどのチームも好調とは言えなくなる。今の西カンファレンスを制すには『まずまず』では足りない。レイカーズは好スタートを切ったが、ここにレブロンを組み込み、その力と経験を有効活用しながらチーム力をさらに高めていく必要がある。
勝ってはいても、チーム内が不安定であれば、その積み上げが望めなかっただろう。だが、この5試合の遠征を戦い抜いたレイカーズは、選手同士の結束力を強めて、よりタフなチームになりつつある。ここにレブロンが良い形で加われば、まだまだ上を目指せるはずだ。
