
オフェンスオプションの変化に期待
チャンピオンシップ出場が有力視されていた昨シーズンは、Bリーグで指揮をする初年度となったモーディ・マオールヘッドコーチが日本人選手の文化やリーグの特色をつかむことに苦戦し、満足する結果を得ることができなかった。今シーズンはマオールヘッドコーチの右腕として、島根スサノオマジックをチャンピオンシップ常連チームへと引き上げたポール・ヘナレをアソシエイトヘッドコーチに迎え入れ、コーチと選手の意思疎通を助ける役割が期待される。
ロスターに目を向けると、昨シーズン平均18.6得点とチームトップの4.5アシストを記録したマーク・スミスが退団。攻撃のファーストオプションだったスミスに代わってゲームコントロールに定評のある司令塔タイプの熊谷航を獲得したことから、オフェンスのバリエーションを増やしたいチームの意向が見受けられる。
また、先発ビッグマンとして平均6.0リバウンド、1.5ブロックを記録したエージェー・エドゥをチームを去ったことで、川真田紘也のプレータイム増加が見込まれる。レギュラーシーズンだけでなく、レギュレーションが『オン・ザ・コートワン』に変更になった天皇杯でも重宝される存在となるはずだ。そして、先日行われた『FIBAアジアカップ2025』の韓国代表として、チームトップとなる19.8得点、7.6リバウンドを記録したイ ヒョンジュンを獲得したことで、より多彩なオフェンスが組めるチーム構成となっている。
スタッツ

予想スタメン

※掲載内容は10月1日時点のもの
昨シーズンは全60試合で先発出場を果たし、チームトップの平均18.9得点を記録したジャレル・ブラントリーが攻撃の中心。リバウンド面では、昨シーズンフィリピンリーグで平均13.4リバウンドを記録したアキル・ミッチェルや大型ウイングのヒョンジュンが制空権を奪うことでセカンドチャンスの増加が見込まれる。NBAドラフト1巡全体8位指名を受けたスタンリー・ジョンソンの破壊力にも注目。日本代表でもキャプテンを務めた馬場がチームをまとめ上げ、マオールヘッドコーチが求めるバスケットを展開できるか。
所属選手一覧

※掲載内容は10月1日時点のもの
【注目選手】

馬場雄大
言わずと知れた日本を代表するマルチプレーヤー。チームで日本人トップとなる平均31.58分の出場ながら試合を通じて強度の高いディフェンスを続けられる身体能力は、ベストディフェンダーに選ばれた実績からも折り紙付きだ。アタッキングスキルも高いが、近年は3ポイントシュートにも力を入れており攻撃の幅を広げている。
【若手選手】

星川堅信
次世代のスター選手として呼び声の高い注目の23歳。昨シーズンは越谷アルファーズで出場した半数の試合で先発出場を務めていたが、突発性難聴を患いシーズン終盤はチームから離脱していた。体調が回復した今シーズンは身体能力に裏打ちされたオールラウンドな力と多様なスキルを発揮し、大きく飛躍してもらいたい。
【新加入選手】

熊谷航
秋田ノーザンハピネッツのエースガードとして活躍した昨シーズンは60試合全試合に出場し、平均21.21分のプレータイムで6.5得点、2.0リバウンド、チームハイの4.2アシストを記録した。チームに長年在籍している狩俣昌也が求めていた「能力のあるポイントガード」として白羽の矢が立った熊谷が、長崎に新たな風を吹かせ、チャンピオンシップ出場を勝ち取る原動力を担うことに期待だ。