韓国に圧勝「チームとしてオールラウンドなプレーができました」
『FIBAアジアカップ2025』のグループリーグ初戦は、日本を含め上位進出が期待される強豪が苦戦するケースが目立った。日本はシリアに前半9点のビハインドを負い、前回準優勝のレバノンはカタールに4点差で辛勝、前回4位のヨルダンはインドに勝ったがオーバータイムまでもつれこんだ。
そんな中、順調なスタートを切ったのが3連覇を目指す王者オーストラリアだ。難敵の韓国相手に、すべてのクォーターで上回る危なげない試合運びで97-61と圧勝している
今回のオーストラリア代表は経験豊富なベテランと、将来有望な若手をバランスよく配置したチーム。若手の代表格と言えるのが17歳のダッシュ・ダニエルズだ。昨シーズンのNBAでMIP とスティール王に輝いたダイソン・ダニエルズの弟であるダッシュは、来年のNBAドラフトでトップ10指名が有力視されており、22歳のジェイリン・ギャロウェイ、21歳のオーウェン・フォックスウェルらも注目。チームの屋台骨となるベテランには、かつて千葉ジェッツでもプレーしていたゼイビア・クックスやジャック・ホワイト、ジャック・マクベイがいる。
韓国戦の試合後、取材に応じたクックスは、「チームとしてオールラウンドなプレーができました。それはスコアボードの数字が示しています。良いディフェンスができました。フィジカルで相手を上回り、リバウンドをコントロールできました」と快心の勝利を振り返る。
そして「自分を含め複数のベテランがいて、みんなでチームをまとめています」と自身の役割を語り、若手たちへの信頼を強調する。「ダッシュは今日、素晴らしかったです。ギャロウェイもここまで良いプレーを見せています。フォクシー(フォックスウェル)はポイントガードとしてうまくペースをコントロールし、若いのにとても成熟しています」
クックスが千葉Jでプレーしたのは一昨年の約半年と決して長くはないが、「千葉で本当に素晴らしい経験ができました」と語る大切な思い出。だからこそ、今大会で元チームメートである富樫勇樹との対戦を期待している。
「(富樫)勇樹とはカタールからジェッダに向かう飛行機が同じで、空港で会った時に楽しい時間を過ごせました。彼は大好きな友人であり、対戦するのが待ち遠しいです」
日本にとってオーストラリアは、前回大会ベスト8で敗れた因縁の相手。今大会で優勝するためには避けて通れない大きな壁となる。ベスト4、決勝といった大舞台で富樫と金近廉、クックスによる千葉J対決が実現することを期待したい。