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妹の葬儀に参列した後、ボストンに戻り33得点の活躍

ポール・ピアースの現役引退は、セルティックスの一時代の終焉を意味する。だが、同じく名門セルティックスのエースとして活躍するアイザイア・トーマスは、『セルティックス魂』を継承する存在だ。

ウィザーズとの東カンファレンス準決勝の第1戦、トーマスは第1クォーターに前歯を折りながらもプレーを続け、33得点9アシストの活躍でチームを勝利に導いた。

トーマスは試合後の会見で「折れたところに舌が当たって話しづらい。これまで歯をケガしたことはなかったから、初めての経験だ。チームメートには歯を折ってふざけている連中がいたから、自分もその仲間入りを果たしたということさ」と語った。

会見では笑顔も見せたトーマスだが、交通事故で妹を亡くした心痛と向き合い続けている。試合前日には地元であるワシントン州タコマで執り行われた葬儀に参列。トーマスは試合当日の午前4時にボストンに戻った。

心身ともに疲弊していることは想像に難くない。しかしトーマスはセルティックスのエースとしての責務を全うし続けている。

そんな彼は、今年2月にクリッパーズがボストンに遠征した際、ピアースと夕食をともにする機会に恵まれた。本来ならバスケットボールどころではない精神状態ながらも、自ら進んでチームのためにプレーしたトーマスの決断は、ピアースから受け継いだ『ボストン愛』といったところか。