ラグジュアリータックスの大幅削減に成功

セルティックスがベテランガードのドリュー・ホリデーを放出し、トレイルブレイザーズからアンファニー・サイモンズとドラフト2巡目指名権2つを獲得するトレードを成立させたと『ESPN』のシェムス・チャラニア記者が報じた。

今シーズンはカンファレンスセミファイナルで敗退し、連覇を逃したセルティックスは、ジェイソン・テイタムがプレーオフでアキレス腱断裂の重傷を負い、来シーズンは全休となる可能性が高い。エース不在で優勝を狙うのが厳しい状況で、今オフはサラリー削減が最優先事項となり、今回のトレードはその第一歩となる。

ホリデーは今シーズンもタフなディフェンスとリーダーシップでチームを支えたが、35歳の大ベテランにもかかわらず残りの契約は最終年のプレイヤーオプションも含め3年総額で1億ドル以上(約145億円)と高額で、セルティックスとしては一番の放出候補だった。一方、セルティックスに加入するサイモンズは、年俸は残り1年2700万ドル(約40億円)となる。

サイモンズは26歳とこれから全盛期を迎える年齢で、今シーズンも70試合出場で平均19.3得点、4.8アシスト、2.7リバウンドを記録。3ポイントシュートは1試合平均8.5本の試投数で成功率36.3%と、3ポイントシュートを多投するセルティックスの戦術との相性は良さそうだ。チームにフィットしたら契約延長に動けばいいし、そうでない場合はこれまでの実績からトレードの駒として十分に使える。

ちなみにホリデーは、2023年オフにデイミアン・リラードがブレイザーズからバックスに加入するトレードでブレイザーズへと譲渡されたが、直後にセルティックスへとトレードされている。練習参加もなくブレイザーズを去ったホリデーだが、優勝争いのできるチームでプレーしたい自身の希望に理解を示し、セルティックス移籍を実現させたブレイザーズ首脳陣への感謝をかつて語っていた。

ブレイザーズは今シーズンも36勝46敗といまだ再建途上だが、今後はシェイドン・シャープを大黒柱としたチーム作りを進めていくと見られる。ホリデーは若手の指南役かつディフェンスの要として、この再建に貢献することが予想される。

『ESPN』によると、今回のトレードによりセルティックスは来シーズンのラグジュアリータックスの支払いを4000万ドル(約60億円)削減できるが、セカンドエプロンを下回るにはさらなるサラリー削減が必要で、今後も主力を放出することになるだろう。ホリデーは足元を見られることなく好条件で放出できたと言っていい。編成を担うブラッド・スティーブンス球団社長の次の一手に注目だ。