転校を経てコロラド州立大で大きくステップアップ

現地6月25日と26日に、ブルックリンのバークレイズ・センターで2025年のNBAドラフトが行われます。ロッタリーで指名順位が決まり、トレードの噂も盛んに流れていますが、今年のドラフトは豊作といわれ、各ポジションに高いポテンシャルを秘めた選手から完成度の高い選手まで異なるタイプが揃っているため、チームそれぞれの事情によって指名する選手が大きく変わってきそうです。

大学入学前から注目されてのワン&ダンでドラフトにエントリーする選手が多い中で、異なるキャリアを歩んできたのが23歳のニケ・クリフォードです。大学3年生まで平均得点が2桁に乗ることはなく、4年生のシーズンに転校して初めての2桁となる13.3得点を記録し、そして最終学年で18.9得点、4.4アシスト、9.6リバウンドと素晴らしい成績を残してドラフト候補へと浮上してきました。

芽が出るのが遅かったクリフォードですが、時間をかけて成長したため、身体能力に任せたプレーではなく、精度が高く多彩なプレーが期待できます。3ポイントシュートは38%の成功率で、外から決めるだけでなくピック&ロールやポストアップを駆使して自らのアタックで得点を生むことも、冷静な判断でパスをさばいてチームメートの得点をアシストすることもできる万能なタイプです。

また、ディフェンス面でもポジショニングと読みの鋭さが光っており、マンマークでの強みもあれば198cmながらリバウンドも強く、マルチディフェンダーとして複数のポジションをこなせる使い勝手の良い選手です。

高い身体能力と多彩なスキルセット、そして万能なディフェンス力を持つクリフォードは、今回のドラフトで最も完成度の高いウイングで、即戦力として期待できます。ポテンシャル型のワン&ダンのように育成に時間をかける必要がなく、堅実な上級生を優先するチームも増えてきており、予想外に上位で指名されるかもしれません。