ドリュー・ホリデー

「同じメンバーで同じバスケをやり続けられる」

ドリュー・ホリデーはパリオリンピックで金メダルを獲得した。その後、残り少ない夏も忙しく動き回っている。現地8月28日、フライドチキンの大手チェーンである『Cane’s』でホリデーは一日店員を務めた。これは『Cane’s』の28周年イベントの一つで、ホリデーが参加したのは彼が妻のローレンとともに社会貢献活動を行う基金を『Cane’s』がサポートしている縁でもある。

ホリデー夫妻の基金は、2020年に創設された当初は新型コロナウイルスのパンデミックで苦しむ有色人種が経営する中小企業を金銭面でサポートしていたが、今では教育分野にも支援を広げている。『Cane’s』は28周年記念として8月28日にボストンに新店舗をオープンさせ、ホリデー基金と協力して2800万ドル(約42億円)を社会貢献活動に投じる。

ボストンの中心部にできた新しい『Cane’s』の店頭に立ったホリデーは、コート上ほどではないにせよイキイキと働いていた。基金のスポンサーのためではなく、彼はこの仕事を楽しんでいた。地元メディアの取材に応じる彼は楽しそうに「僕は小さな頃から、食料品店で買ったものを袋に詰めるのが得意だった。小遣いを稼ぐためにスーパーでバイトしようと考えたこともあるけど、母が許してくれなかったんだ」と笑う。

同じくゲストとして参加した元MLBボストン・レッドソックスの強打者デイビッド・オルティスはホリデーとともに店頭に立ち、取材を受けた。2016年に引退し、2022年にアメリカ野球殿堂入りを果たした彼は、セルティックスのNBA優勝に大いに興奮したと言い、「セルティックスの連覇は間違いないし、その時はこの男がMVPだろうね!」とホリデーの肩を叩いた。

「ありがたいね」と言うホリデーは、NBA連覇に向けた思いをこう語る。「1回優勝するだけでも難しいのに、連覇となるとさらに難しくなる。だけど、僕たちは他のチームを一歩リードしたところからスタートできると思う。シーズンが終わった時に僕たちみんなが願った継続性があるからだ」

NBAで最後に連覇を成し遂げたのは2017年と2018年のウォリアーズで、その後の6年で6チームが優勝したが、そのすべてが翌シーズンにNBAファイナルどころかカンファレンスファイナルにも進出していない。ホリデーは2021年にバックスで自身初の優勝を果たしたが、この時にはエースキラーとして勝負強さを発揮したPJ・タッカーが退団し、翌年にはカンファレンスセミファイナルでセルティックスに敗れている。

しかし今回のセルティックスは、主力であるジェイソン・テイタムとデリック・ホワイトとの契約延長はもちろん、サム・ハウザー、ルーク・コーネット、ゼイビアー・ティルマンSr.の慰留にも成功。オシェイ・ブリセットとスビ・ミハイリュクがチームを離れるが、2人ともプレーオフのローテーションからは外れていた。

「同じメンバーで同じバスケをやり続けられることは、僕たちにとって大きなメリットになるだろう」とホリデーは言う。シーズン開幕まであと2カ月。間もなく、その準備が本格的にスタートすることになる。