「一つになってプレーできれば、どんなことでも可能」
現地5月5日、ニックスはセルティックスとのカンファレンスセミファイナル初戦で、最大20点ビハインドから追い付いて延長に持ち込み、108-105で激闘を制した。
出だしは互角だったが、第2クォーター以降はセルティックスのペースで試合が進み、ニックスは第3クォーター中盤には52-72と大量ビハインドを背負う。それでもここから、この試合でともに29得点を挙げたジェイレン・ブランソンとOG・アヌノビーを中心に反撃開始。第4クォーター残り7分で86-86の同点とした。
ここから両チームともに決め手を欠き、試合はオーバータイムに突入。ここでニックスは、ミケル・ブリッジズが攻守に大暴れ。残り2分半、リードを6点に広げる3ポイントシュートを沈めると、終了間際にはジェイレン・ブラウンの同点シュートを阻止するなど、オーバータイムの5分間で2スティールと1ブロックを記録。セルティックスでもデリック・ホワイトが同じようにディフェンスとリバウンドで目覚ましい活躍を見せていたが、それを上回ったニックスがアウェーで大きな1勝をもぎ取った。
ニックスの大黒柱ブランソンは、大量リードを奪われた場面での心境について「お互いを信じようと声を掛け合っていた」と振り返る。「20点シュートはないんだから、団結して戦い続け、少しずつ点差を縮めていくだけだった。僕たちが一つになってプレーしている限り、どんなことでも可能だ」
敵地で貴重な勝利をつかんだが、「今日のことはもう終わり」とブランソンに浮かれる様子は全くない。「みんなで夕食をともにし、明日になればまた新しい一日だ。第2戦は0-0から始まる。できる限り早く今日の勝利のことは忘れて、これまでと同じマインドセットで行くよ」
レギュラーシーズンでの対戦ではセルティックスが4戦全勝。ニックスは上位チームとの対戦で苦戦が続いていた。ただ、ブランソンは「過去にフォーカスすることはないし、同じことが起こると考えもしない。ただ僕たちが変わらないといけないだけだ」と語っていた。
ブランソンの言葉を有言実行したニックスは、レギュラーシーズンで見せていた相性の悪さを全く感じさせない戦いぶりを見せた。セルティックス優位と見られたシリーズの様相は、たった1試合で変わりつつある。