
積極性を増したOG・アヌノビーが10試合連続20得点超え
現地4月6日のニックスvsサンズで、ジェイレン・ブランソンが1カ月ぶりの戦線復帰を果たした。右足首の捻挫で当初の予定より復帰が遅れたものの、レギュラーシーズン最後の5試合で試合勘を取り戻し、プレーオフに臨めるのは朗報だ。
動きにはぎこちなさが見られ、フィールドゴール9本中3本成功はブランソンらしくない数字。34分というプレータイムも、主力を使い倒すトム・シボドーらしからぬ『配慮』があった。それでも試合が進むごとにニックスは着実にリードを広げ、終盤にサンズが追い上げた時間帯にも自分たちのペースを崩さず、ブランソンも最後の2分で6得点を挙げて健在ぶりを示した。結果、ニックスが112-98で完勝を収めている。
ブランソンは15得点6アシストを記録し、試合後に「全くリズムがつかめなかった。苦戦したよ」と語ったが、その表情は暗くはない。「でもリズムはいずれ戻って来る。メンタル面で、自分のすべてのプレーに自信を持つことだ。調子はどうかとみんなに聞かれるけど、結局は自分自身を信じられるかどうか。今はだいぶ良くなっている」
指揮官シボドーは頼れるエースの復帰を歓迎し、こう語った。「ケガからの復帰ではリズムを取り戻す必要がある。だが彼は最初の1つか2つのプレーで自分の状態が良いと分かると思い切ってプレーし始めた。後半はもう違うギアに入っていた。まあ、私はそうなると思っていたがね。練習では良かったが、試合の強度はまた別だ。これから試合を重ねることで、彼はもっと良くなる」
ブランソン不在の1カ月は9勝7敗。最初はブランソンがケガをしたレイカーズ戦も含めて3勝5敗と、エースの離脱がチームのパフォーマンス低下に直結したが、その後は6勝2敗と持ち直した。ブランソンの平均26.1得点を補ったのはOG・アヌノビーとミケル・ブリッジズで、2人ともニックス加入以降は『ブランソンに使われる選手』という脇役に回っていたが、オフェンスを引っ張らなければならない状況でメンタルを切り替え、チームを勝たせる『主役』を演じるようになった。
特にアヌノビーは昨年1月にラプターズから加入して以降、ケガも多く苦戦が続いていたが、この1カ月でオフェンスでの積極性が格段に増し、得点も大幅に伸びた。2月はケガもあって平均得点は12.6しかなかったが、3月は23.1へと伸びており、ブランソンが復帰したサンズ戦でもチームハイの32得点を記録。これで10試合連続の20得点超え、この間は平均27.6得点を記録している。
第4クォーター残り40秒、ブリッジズから速攻のパスを受けたアヌノビーは360度ターンしてのダンクを叩き込み、マディソン・スクエア・ガーデンを沸かせた。
ブランソンは言う。「ケガが良かったとは言わない。でも、誰かが欠場すれば他の全員がステップアップしなければいけない。チームが団結し、成長するきっかけになったと思う」