ニコラ・ヨキッチ

解任には関与せず「僕は理由を聞いて受け入れた」

現地9日、ナゲッツはマイケル・マローンヘッドコーチの電撃解任後初の試合でキングスと対戦した。プレーに集中するのが難しい状況において、ニコラ・ヨキッチが20得点12リバウンド11アシスト4スティールを記録。今シーズン32度目となるトリプル・ダブルを達成した大黒柱の活躍によってナゲッツは124-116で勝利し、連敗を4で止めている。

試合後の囲み取材でヨキッチは、今回のマローン解任について「チームの目を覚まさせ、エナジーを変えたいと思ったから実行したのだろう。僕の国では誰かが解雇されたら、おそらく次は自分だと感じる。間違いなく何かが変わった」と語る。

解雇後にマローンにメールを送ったというヨキッチは「10年に渡る関係があり、誰にとっても辛い日だった。特に彼と家族にとってはね」と話しつつも、「ただ、これもビジネスの一部だ」と、すでに気持ちを切り替えて前に進んでいる。

また、マローンの解任に至るプロセスにおいて自身は全く関与しておらず、オーナーのジョシュ・クロエンケから事後報告を受けたのみと明かす。

「ジョシュが僕に何を話したのかは明かすつもりはない。ただ、みんなより少し前に知った。彼は『私たちは決断を下した。議論をすることはない。これは決定事項なんだ』と伝えてきた。そして僕は理由を聞いて受け入れた」

この試合、ヨキッチはタイムアウト中、いつも以上にチームメートに積極的に指示を出している姿が目立っていた。「何か言うべきことがあると思ったら、それを口に出すだけだよ」と本人は多くを語らないが、その振る舞いには大黒柱としての強い責任感が見えた。

今回のマローン解任をポシティブな出来事ととらえる声は皆無で、ナゲッツのプレーオフにおける下馬評は下がっている。だが、ヨキッチはオンコートインタビューで秘めたる逆襲への闘志をアピールした。

「ジョシュは、この試合で彼が望むチームの変化を得たと思う。人々は僕たちが弱っていると言う。だが、獣は弱っている時こそが最も危険だ。もしかしたら彼は、獣を目覚めさせたのかもしれないね」

『セルビアンビースト』とも呼ばれるヨキッチ、そしてナゲッツの逆襲なるか。プレーオフが楽しみだ。