ビクター・ウェンバニャマ

クリス・ポール「でも、僕らは戦い続ける」

現地2月20日、スパーズはビクター・ウェンバニャマが右肩の深部静脈血栓症と診断され、今シーズンの残り試合を欠場する可能性が高いことを発表した。

深部静脈血栓症は、体内の深部静脈に血栓が生じる病気。この血栓が静脈からはがれて血液の流れに乗ってしまうと、最終的には肺に達して血液の流れを止める肺塞栓症を引き起こし、最悪の場合は生命の危険が伴う。

ウェンバニャマは初選出となったNBAオールスターを終え、スパーズに合流したところでこの診断を受けた。かつてヒートのクリス・ボッシュを引退に追いやった深刻な病気ではあるが、今回は早期発見であり、スパーズは長期的な健康への影響はないと発表している。

それでも、スパーズの今シーズン後半戦は大幅な予定変更を余儀なくされる。ここまで23勝29敗で西カンファレンス12位と結果を残しているとは言えないが、プレーイン・トーナメント進出圏となる10位までは1.5ゲーム差であり、トレードデッドラインにディアロン・フォックスを獲得して巻き返しの準備は整っていたはずだった。

現地2月20日のサンズ戦からリーグ再開となる。この試合に向けた前日練習が行われている間に、ウェンバニャマのリリースがあった。チームには大きな衝撃が走った。クリス・ポールはスパーズを代表して「とんでもなく厳しい状況だ。ヴィック(ウェンバニャマ)の代わりは誰にも務まらない。誰かの肩に乗ってブロックショットを決めるわけにはいかないからね。でも、僕らは戦い続ける」と語った。

「対戦相手はどこも僕らを気の毒だとは思ってくれない。ヴィックがいないレーンを狙ってくるだろう。だから僕らはヴィック抜きでやり通す方法を考え出すしかない。チームは家族であり、その一員に何かアクシデントが起きた場合、どういうわけか家族の絆は強まるものだ。今回も同じことが起きると期待しているよ」

スパーズのフロントコートは、21歳のウェンバニャマがフル回転する前提のため層が薄い。フォックス獲得のためにザック・コリンズを放出しており、控えセンターのチャールズ・バッシーは左膝のケガで離脱中。そのため、サンドロ・マムケラシュビリとジェレミー・ソーハン、10日間契約を結んでいるビスマック・ビヨンボを正式契約に切り替えてローテーションを回すことになりそうだ。

「プレーインを目指すのか」と問われたポールは「あくまでそれが計画だ」と話したが、ウェンバニャマの離脱でスパーズはプレーオフ戦線から大きく後退することになる。