アル・ホーフォード

「僕のプロセスは今までと何ら変わらない」

他の29チームに先駆けて王者セルティックスが始動した。10月上旬にアブダビでプレシーズンゲームを行うセルティックスとナゲッツは、他のチームより1週間ほど早く始動する。セルティックスは昨シーズンを最も長く戦ったが、選手たちはオフが短いことにも不満を持たず、高いモチベーションを持って戻って来た。

キャリア18年目を迎える38歳の大ベテラン、アル・ホーフォードも同じだ。公式なチーム始動を待たずに選手たちは自主的なワークアウトを行っており、自分自身が意欲的に身体を鍛えるだけでなく、優勝してもなお士気の衰えない仲間たちの様子にも満足感を得ている。

「すべてはチームに対する献身と意欲次第で、このグループはその重要性を理解している。毎日一生懸命に練習して、試合でベストを尽くす。そういう環境に身を置くことがモチベーションを上げてくれるし、ただただ突き進むんだという気持ちになれる。僕は競争が大好きだし、高いレベルで競い合う環境にいられることを幸運だと感じている」

王者として迎えたオフで特別だったのは、優勝トロフィーを故郷であるドミニカ共和国に持ち帰ったことだとホーフォードは言う。「マヌ・ジノビリがアルゼンチンにトロフィーを持ち帰った時、僕はその映像を見ながら妻のメアリーに『いつか必ずやるよ』と言ったんだ。ドミニカ共和国の様々な場所に行き、いろんな人にトロフィーを見せた。子供たちに刺激と希望を与えたかったんだ。若いうちにNBA選手と交流できる機会があれば、それは良い刺激になるだろうからね。僕にとっても特別な時間だった」

「でももう十分だ。優勝して最高の気分を味わうことができたけど、これで終わりじゃないし、ライバルは準備を進めている。ずっとお祝い気分ではいられない」とホーフォードは言う。

オフの間には引退説も流れた。ホーフォードの長いキャリアすべてが順風満帆だったわけではない。デビューから9シーズンを過ごしたホークスを離れ、セルティックスにやって来たのは2016年のこと。その間は常にセルティックスの主軸だったイメージだが、一度はセブンティシクサーズに移籍し、サンダーへと流れてチーム内での居場所を失った時期もあった。それだけに、悲願の初優勝を置き土産にキャリアを終えるとの憶測が流れた。

しかしホーフォードは「考えたこともない」と引退説をきっぱりと否定した。「自分がいつまでプレーするか決めたことはない。やれる限りはやり続けるよ。ここに到達するために戦ってきた年月は本当に長かったけど、今こうしてセルティックスのユニフォームを着てここにいられることを幸運に思い、ひたすらプレーし続けるだけだ」

「僕のプロセスは今までと何ら変わらない。オフのトレーニングで身体を鍛え直すこと自体を楽しむことができた。明日からのチーム練習で、またみんなと一緒に前を向いて歩き始めるのが楽しみだ」