「点差に関係なく自分たちのやるべきことを」
福岡第一は2回戦で文星芸術大学付属を、3回戦で駒澤大学附属苫小牧を、ともにダブルスコアの大勝で破ってベスト8へと駒を進めた。地元開催のインターハイで勝たなければいけないというプレッシャーをモチベーションに変え、ここまで順調な戦いぶりを見せている。
8月6日の駒澤大学附属苫小牧との試合は、立ち上がりから足を生かしたディフェンスを見せて第1クォーターを18-12とすると、続く第2クォーターで31-9と突き放して試合を決めた。福岡第一らしい堅守速攻を体現するとともに、駒澤大学附属苫小牧も強力な留学生プレーヤー、オラヨリ・マーベラス・オルワトヨシがファウルトラブルになるとそこを突くしたたかさも見せた。
福岡第一のキャプテンを務める八田滉仁は、試合をこう振り返る。「昨日の試合の入りが悪くて、その反省から『試合の入りから大事にしていこう』と話していたことを全員で体現できました。また一番悪いのが第3クォーターの入りなので、前半が良くても『気は抜けないぞ』と話して、点差に関係なく自分たちのやるべきことをやろうとしていました」
リードを着実に広げる展開でも油断なく、相手を圧倒する強さを見せた。「点数が離れた時に雰囲気が悪くなり、そこで相手に流れを持っていかれる悪い部分があります。コート内の声も少ないので、まずそこから増やしていきたいです。プレーの面では自分たちが今までやってきたことをやれば勝てると思っています」
「地元開催で福岡第一の看板を背負って出る」
優勝候補で地元チーム。福岡第一のキャプテンを務めることに「プレッシャーはもちろんあります」と八田は言う。「ですが、こんなに大所帯のチームのキャプテンをできることは人生において他にないと思うし、自分にとってはチャンスです。良い経験ができるとプラスにとらえて、自分なりに思い切ってやっていこうと思います。去年の(崎濱)秀斗さんのようにプレーで引っ張っていくより、今年は下級生も多いチームなので、自分は声掛けだったを意識してやっています」
井手口孝ヘッドコーチは地元開催のプレッシャーを大きなものとはとらえていない。『福岡決勝』を望む地元の声にも「最後にそうなればいいけど、先に負けなければいいと思ってます。お互いに(笑)」と影響されていない。ただ、開催地の立場で思うところは多いようだ。「これだけの方々に朝早くから並んでいただいて、会場を増やすとかいろいろ考えなきゃいけなかったのかもしれませんが、これ以上のキャパシティのある体育館はないので。明日から少し観客席が広くなるので。福岡県のチームがまだ3つ残っているので、応援していただけるとありがたいです」
一方で八田キャプテンは「地元開催で福岡第一の看板を背負って出るからには絶対に負けてはいけないと思っています」と気合いが入っている。「応援してくださる福岡県の皆さんに良い報告ができるよう、ディフェンスからの速攻を見せて自信を持ってプレーしていきたいと思います」