「逃げずに挑戦し続けた。そのことを誇りに思う」
ペイサーズ相手に2勝4敗と競り負け、バックスの2023-24シーズンは終わった。第6戦で拮抗した展開を維持できたのは第2クォーター序盤まで。あとは次第に点差を広げられ、98-120の大敗となった。
ヤニス・アデトクンボは左ふくらはぎのヒラメ筋を痛め、レギュラーシーズン最後の3試合とプレーオフの6試合を通してリハビリに務めたが、再びコートに立つことはなかった。第6戦でもアデトクンボはベンチに入り、コーチのように身を乗り出して仲間に声を掛け、ハドルに参加したが、リムを守ることはできないし、リバウンドも取れないし、得点を取ることもできなかった。
デイミアン・リラードはアキレス腱に痛みを抱えて第4戦と第5戦を欠場。この第6戦で復帰して28得点を挙げたものの、本調子でないのは明らかだった。朝の9時半にアリーナに来て、治療を施してコートに立つコンディションを作り上げた。「朝に右足で踏み切ってシュートを打てるかどうか確認したかった。痛みはあったけど、何とかなると判断した」とリラードは説明する。
リラードはアデトクンボ不在のレギュラーシーズン最終戦で足首を痛めた。プレーオフが始まるまでは全く練習せずにリハビリに専念したが、100%のコンディションを取り戻すには至らなかった。「第3戦で同じ場所を痛めて、振り出しに戻ってしまったんだ」
両エースを欠くチームを足首痛を抱えながら引っ張ってきたクリス・ミドルトンにも限界が訪れ、第6戦では全く振るわず。アデトクンボに代わり先発を務めるボビー・ポーティスはハッスルしたが、それによりベンチの層が薄くなり、ベンチからの得点は10のみ。ベンチから出たオビ・トッピンが21得点、TJ・マッコネルが20得点を挙げたペイサーズと明暗が分かれた。
リラードは優勝するためにトレイルブレイザーズを離れる決断を下した。もう33歳で、このオフにはもう一つ年齢を重ねる彼に、何度もチャンスが残されているわけではない。その貴重な一回をケガで無駄にしてしまった。
「レギュラーシーズンの浮き沈みを経て、これからが勝負だというタイミングでケガがあった。悔しいし、失望もするけど、これもゲームの一部なんだ」
「ジェットコースターのような1年だった」とリラードはこのシーズンを振り返る。「でも個人的には、何よりも成長の年だった。オフの終わりにトレードされ、家族と離れ、初めてブレイザーズとは違うチームに来て、その中で新しい自分を見いだそうとした。良いプレーができなかった時、物事が思い通りにいかなかった時、僕は逃げずに挑戦し続けた。そのことを誇りに思う。そういう意味で長い1年で、新しい経験がたくさんあった。大変だったけど、一度もネガティブにはならなかった」
プレーオフのファーストラウンド敗退という期待外れの結果に終わった以上、これから批判が噴出するのは間違いない。だがリラードはそこから逃げるつもりもない。「期待されているから批判も出る。実際、僕のプレーは改善できる部分がたくさんある。コーチがどんなバスケをするのかを知り、チームメートついてよく知ることができた。ミルウォーキーでの生活にも慣れてくる。だから僕は次に向けてワクワクしているんだ」