林の2本の3ポイントでピンチを脱し、逃げ切り勝利
FIBA女子オリンピック世界最終予選(OQT)が開幕し、バスケットボール女子日本代表(FIBAランキング9位)がスペイン代表(FIBAランキング4位)と対戦した。
日本の先発は宮崎早織、山本麻衣、林咲希、赤穂ひまわり、髙田真希の5人。林が2本連続で3ポイントシュートを沈め、山本もトランジションからミドルシュートを決め切るなど、日本はシュートタッチが好調。激しいプレッシャーディフェンスで2本連続でターンオーバーを誘発するなどディフェンスも機能したが、スイッチした後のローテーションが間に合わず、高さのミスマッチを突かれてイージーシュートを許す場面も多々見られた。それでも、3ポイントシュートを8本中4本成功させ、ベンチメンバーが出ても強度が全く落ちない日本が26-18と先行した。
第2クォーターに入っても日本のペースが続き、第1クォーターのラストポゼッションでゴール下を決めた馬瓜エブリンがドライブに速攻と連続得点を挙げて、早々にリードを13点に広げた。それでも、ディフェンスのプレッシャーが徐々に落ち始めたことで、スペインに冷静にハーフコートバスケを展開されて点差を縮められてしまう。髙田とステファニーが個人2ファウルとなり、第1クォーターは決まった長距離砲に当たりが来ず、残り4分には3点差まで迫られた。しかし、赤穂のオフェンスリバウンドから、このクォーター初となる3ポイントシュートを林が射抜き悪い流れを止めると、林がここから2本の3ポイントシュートを成功させて再び突き放し、46-36で前半を終えた。
後半を先発メンバーで開始した日本は宮崎のドライブで先制し、山本もコーナースリーを決めて2桁リードを保つ。序盤と同様にローテーションミスからインサイドで失点を重ねる場面があったが、高田やエブリンが3ポイントシュートを決め返し、オフェンスの火力で上回る。終盤に連続で3ポイントシュートを許したが、アグレッシブな姿勢を貫き、宮崎のドライブで締めくくった日本が12点リードで最終クォーターを迎えた。
インサイドで連続失点し、早々に点差を1桁にされた日本だったが、再び林が3ポイントシュートを射抜くと、髙田も強気にトランジションスリーを決めて流れを渡さない。そして、11点リードの残り2分を切った場面、ショットクロックが残り少なくなる中、山本が値千金のステップバックスリーを沈める。終盤にスペインの反撃を受けたものの、時間をうまく進めた日本が86-75で逃げ切った。
日本は8本中6本の3ポイントシュートを決めた林と、内外から得点を重ねたエブリンが20得点を挙げ、山本が15得点で続いた。明日のハンガリー戦に勝てば、グループ3位以上が確定し、パリオリンピック出場権を獲得する。