ルイージ・ダトメ

「代表への愛情と感謝の気持ちを持って、自分にできるベストを尽くしたい」

ルイージ・ダトメのNBAでの挑戦は長く続かなかった。2013年オフにピストンズと2年契約を結ぶもNBAでのリズムに馴染めず、2年目のシーズン途中にセルティックスへとトレードされた。わずか55試合の出場、平均プレータイムは10分にも満たず、3.4得点、1.4リバウンドというのがNBAでの2シーズンでの数字。最後は思い出作りのような形でプレーオフのコートに立ち、NBAを去ることになった。

NBAで結果を残せず早々にヨーロッパに戻ったことで過小評価されがちだが、イタリアでの彼は偉大なキャリアを築いている。国内リーグ優勝3回のうち2回、そしてフェネルバフチェでのユーロリーグ制覇は、NBA挑戦を終えてからのものだ。イタリア代表では2007年のユーロバスケットでデビューし、ここまで193試合に出場。ワールドカップ前の強化試合とワールドカップ本大会で200の大台に乗り、レンゾ・ヴェッキアートが持つ歴代10位の201試合も追い抜けそうだ。

だが、これはダトメにとって最後の挑戦である。同じくイタリアからNBAに挑戦したマルコ・ベリネッリ、アンドレア・バルニャーニ、ニコロ・メッリが代表から遠ざかり、1歳年下のダニーロ・ガリナーリもケガで代表に参加できていない今、ダトメも区切りをつける時が来た。ワールドカップをもって、彼は現役を引退する。

イタリア代表がフィリピンの前に最終調整を行う中国へと出発する前、ラヴェンナで国内最後のテストマッチが行われた。そこには4000人のファンだけでなく、これまでのチームメートや関係者が多数詰め掛け、ダトメに対してスタンディングオベーションで愛情を示した。

ダトメは言う。「ありがたいよ。20歳で初めて代表チームに加わり、35歳の今まで続けられた。代表と一緒に多くの遠征に行き、たくさんの試合に出て、すべての経験から学んであらゆる面で成長しようとしてきた。その姿勢が認めてもらえたように思える」

試合の最後はチームが彼のためにチャンスメークし、オープンで放った3ポイントシュートで締めくくった。「決まったから美しいフィナーレになったけど、外してたらどんな雰囲気になったかは想像もしたくないね」とダトメは苦笑しながらも、「少し感傷的になったけど、まだ最後の挑戦が残っている」と気を引き締める。

「ここ最近の大会でそうだったように、今のアッズーリ(イタリア代表の愛称)は本当に良いチームだ。みんなチームを第一に優先し、それぞれ自分に与えられた役割を一生懸命にこなそうとしている。僕ももちろんキャプテンとしてその姿を仲間に見せるつもりだ」

「どういう結末を迎えようとも、最後の挑戦は美しいものになるはずだ。どうせなら一番美しい景色を見たいけど、僕にとって代表の一員としてこの夏を過ごせること自体が唯一無二だ。代表への愛情と感謝の気持ちを持って、自分にできるベストを尽くしたい」