日本のエース比江島慎がブレッツを退団、クラブGMはバスケに取り組む姿勢を称賛

2019/01/05
NBA&海外
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比江島慎

文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

様々な苦労も「人間として成長できる環境」に

オーストラリアNBLのブリスベン・ブレッツは、AJ・デイビスの獲得を発表。それとともに比江島慎がチームを離れることになると発表した。

クラブの発表の中でリチャード・クラークGMは「マコトは信じられないぐらい働き、このクラブの全員にインパクトを残した」とのコメントを出している。

比江島は今シーズン開幕前の昨年夏にブレッツに加入。チームを率いるアンドレイ・ラマニスはオーストラリア代表のヘッドコーチでもあり、ワールドカップ予選で対戦した際に日本のエースとして活躍する比江島に注目。前年最下位のブレッツを立て直す戦力として、アジア選手枠を使ってチームの一員となった。

しかし、シーズンが開幕するとほとんどプレータイムを与えられず。年末年始のアウェー3連戦ではチームも帯同していなかった。ここまでチーム成績は9勝9敗で、プレーオフ出場を実現するために戦力のテコ入れを実施。それと同時に比江島がチームを離れることになった。

比江島にとってNBL行きは、プレータイムを確保できないリスクを承知した上での挑戦だった。本人は渡豪前からプレシーズンにかけて「英語が分からない中でチームのシステムを覚えなきゃいけないので大変です。チームでの信頼はゼロから勝ち取っていかなければいけないし、それは毎日の練習の積み重ねなので」と苦労を語る。それと同時に「フィジカルだったりスピードだったりは日本にはないもので、毎日の練習が楽しいです」と充実感もあった。

生活面でも初めての海外で大変だっただろうが、「そこも人間として成長できる環境なのかなと思っているので、チャレンジしていきたい」と意気込んでいた。

そもそも、比江島が慣れ親しんだシーホース三河の環境に安住せずに海外へと飛び出したのは、これまで以上にレベルアップしなければならないという強い意欲があったから。満足に試合に出場できなかったという点では今回の移籍は失敗と言わざるを得ない。ただ、それだけで比江島の挑戦を失敗だったと決めつけたくはない。約5カ月の在籍期間、これまでの環境では得られなかった経験ができたはず。比江島は次の挑戦でそれを示してくれるはずだ。