「1年ならプレー機会がなくても何とかなるけど、それが2年となったら最悪」
ニックスのエバン・フォーニエがチームを離れたい意向を表明した。今夏に開催されるワールドカップ2023のフランス代表に選出されている30歳のフォーニエは、ニックスへ加入した2021-22シーズンに80試合に先発出場し平均14.1得点、2.6リバウンド、2.1アシストと活躍した。しかし、今シーズンは開幕から1カ月を過ぎて構想外となると、27試合出場で平均6.1得点、1.8リバウンド、1.3アシストに留まり、さらにプレーオフでは出場機会なしと消化不良の形で終わっていた。
フォーニエ個人にとっては不本意な1年に終わったが、昨シーズンのニックスはレギュラーシーズンを47勝35敗と勝ち越し、2013年以来となるカンファレンスセミファイナル進出とステップアップを遂げた。トム・シボドーヘッドコーチ体制は継続しているだけに、フォーニエはこのオフシーズンにニックスが自身を放出すると予想していた。だが、実際は引き続きニックスの一員であり続けている。
母国フランスのスポーツ紙『レキップ』の取材に対し、フォーニエはこのようにシボドーとの冷めた関係性を明かした。「彼が僕を先発から外すと言った時、何か他の起用法を試すからと言われた。でも実際はアウェーの遠征でローテーションからも外され、サヨウナラといった感じだ。彼について何の感情もなく、話すことは何もない」
ちなみにフォーニエの今シーズンの年俸は1800万ドル以上(約25億円)となっている。構想外でベンチを温める選手に対しては明らかに割高であり、だからこそフォーニエは自身が放出されると思っていた。「新シーズンもニックスの選手であることにとても驚いている。トレードされるだろうと思っていた。そうでなければ僕もニックスも行き詰まってしまう。とんでもない高額の贅沢税を支払いたくないのならね……」
そして、新シーズンもプレータイムを得られない可能性があることについて、危機感を抱いている。「僕のバスケットボールのキャリアにとっては大惨事となってしまう。1年ならプレー機会がなくても何とかなるけど、それが2年となったら最悪だよ」
NBAは激しい生存競争の世界であり、一部のスーパースターを除けばいきなり出場機会を失うことになっても驚きはない。とはいえ、構想外となった高額サラリーの選手が塩漬け状態となっていることを考えれば、フォーニエの処遇に関してはいささか疑問が残る。