竹内みや

「明日からまたギアを上げてやっていけると思います」

岡山インターハイ3日目、女子ではベスト16で早くも桜花学園(愛知県)と大阪薫英女学院(大阪府)の対戦が実現した。

ともに優勝候補に挙げられる強豪チーム同士、接戦のまま試合は進む。どちらもディフェンスに強みを持ち、特に互いに3ポイントシュートを警戒するため大きくスコアが動く局面がなかなかやってこなかった。

桜花学園の白慶花コーチは「今日はディフェンスとリバウンドが勝負」と選手たちに伝えていた。高さだけでなくスキルもあるセンターの三輪美良々を勢い付けては薫英のペースになる。三輪が23得点を挙げ、的場梨緒も15得点とインサイドを止めることはできなかったが、リバウンドで踏ん張ることでビハインドの時間が長くても点差を広げられることなく踏み留まった。

膠着状態のまま試合は最終クォーターへ。なかなか得点が動かない状況で、竹内みやは燃えていた。「自分と勝部(璃子)が点を取ることを任されている中で、『自分がやってやろう』という気持ちで第4クォーターに入りました」

勝負どころで竹内が仕掛けてくるのは薫英にとっても想定内。しかし竹内は攻め気を増しながらも視野は広いままで、冷静にパスを出して小玉愛莉のコーナースリー、イシボ・ディバインのゴール下と得点をアシストしていく。そして薫英の連携ミスから自分がフリーになると、迷わず3ポイントシュートを決めて64-55と突き放した。薫英は大槻佳子のドライブからの得点、幡出麗実の3ポイントシュートで追いすがるも、桜花学園がリードを守りきって74-69で勝利した。

勝負どころでオフェンスを牽引した竹内は15得点4アシスト3スティールを記録。試合後にはこう語った。「チームメートを信頼しているので任せるところは任せて、自分が行けたら行く感じでやっていますが、第3クォーター、第4クォーターはチームに任されている選手、エースの得点が大事になってくるので、そういう時間は自分がやっていきます」

「今日の試合が本当に大切だとミーティングでも話していました。この試合に勝てたことは全員の自信になるし、明日からまたギアを上げてやっていけると思います」

6月の東海ブロック大会の決勝で岐阜女子(岐阜県)を破ったことがチームの転機になったと竹内は言う。今日の勝利もまた、このところ全国で大きな成果を残せていない桜花学園をプレッシャーから解き放つ効果がありそうだ。竹内の勝負どころの活躍だけでなく、クラッチリバウンドを次々と取って18得点23リバウンドと殊勲の働きを見せたディバインの『覚醒』も含め、桜花学園は大きな波に乗ろうとしている。