馬瓜ステファニー

「この終わり方だったからこそ、アメリカへも自信を持って行ける」

今シーズンのWリーグファイナル、トヨタ自動車アンテロープスvsENEOSサンフラワーズのシリーズは第3戦まで開催され、その第3戦はダブルオーバータイムにまでもつれるなど、史上稀に見る大激戦となった。

結果的にトヨタ自動車は第3戦を64-72で落とし3連覇は達成できなかった。優勝を逃した悔しさはもちろんある。それでも、選手たちは目標を成し遂げる寸前まで成長できたことへの充実感も得た。山本麻衣は言う。「優勝を狙っていたので負けて悔しいですし、オーバータイムに入る時のあの1本のシュートを決め切れなくて悔しいです。でも、本当にみんなでここまで成長してこれて、最後までみんなとプレーできたことがすごくうれしいです。そして、最後まで1番良い顔をしてたと思います。それは自信を持って言えるので、この経験をしっかり来年に繋げてまた戻ってきたいと思います」

山本とともにチームの柱を務めた馬瓜ステファニーも「途中から勝ち負けより、ずっとこの時間が続けばいいじゃないですけど、楽しくなってきちゃいました」と試合を振り返った。そして、結果よりもこの1年で育んだチームメートとの一体感を強調した。

「結果として2位にはなってしまったんですけど、本当にみんなを信じて良かったと私は思っています。今までやってきたことが無駄だったとか、意味がなかったとかは思いませんし、自分たちがここまできたことにしっかりと自信を持っています」

若返りを図ったトヨタ自動車にとって、このシリーズを戦い抜いた経験は大きな収穫だ。馬瓜も漫画『SLAM DUNK』の中の1シーン「負けたことがあるというのが、いつか大きな財産になる」を想起させるコメントをした。

「最後負けてしまったんですけど、シーズンがスタートしてからここまで来れたのは正直信じられなかったです。みんながすごく成長して、一人ひとりが気持ちを強く持って、あんなに経験のあるチームに対してダブルオーバータイムまで運べたというのは、自信にも繋がったと思います。スラムダンク風に言うと、自分に足りない経験はこれだったんだなって。ファンの皆さんには、トヨタ自動車の未来は明るいぞって言いたいです」

チームの今後について触れた馬瓜だが、オフシーズンにはWNBAへの挑戦が待っている。ニューヨーク・リバティとキャンプ契約を結んだ馬瓜は、そのキャンプで信頼を勝ち取り、正式契約を結ぶことを目指す。日本人として5人目となるWNBAプレーヤーの誕生に注目が集まるが、馬瓜はプレッシャーを感じていない。それは新たにファイナルでの特別な経験を得たからだ。

「正直、レギュラーシーズンはあまり自分の調子が良くなく、今までで1番苦しかったシーズンだと思っていました。プレーオフに入り、みんなとやるのは、もしかしたらあと数試合しかないと思ってプレーしていました。プレーオフが1番調子が良かったんですよね。ここまでみんなが耐えて、繋げてくれた試合で、自分も最後に楽しむことができたし、そこで自信をつけることもできました。最後は負けましたが、この終わり方だったからこそ、アメリカへも自信を持って行けると思っています。何も知らないし、何が起きるかも分からないので、自分らしく楽しみたいです」