ツーガードに依存せず、先発5人が2桁得点「そこは収穫」
ウインターカップ2回戦、シードの大阪薫英女学院が安城学園と対戦した。序盤からインテンシティの高いディフェンスで安城学園にタフショットを打たせると、都野七海が第1クォーターだけで9得点を奪い先手を取る。第2クォーターにはさらにギアを上げ、29-9のビッグクォーターを作ると、第3クォーター終了時点でリードを36点まで拡大し最終スコア98-67で快勝した。
安藤香織コーチが「小っちゃいので前からしっかりプッシャーをかけて、ディフェンスを成功して得点をだいぶ抑えられたので良かった」と振り返ったように、安城学園の前半の得点を21に封じたディフェンスでの勝利だった。安城学園は今回が6年連続10回目のウインターカップ出場で、2017年には準優勝を経験している強豪だ。初戦では県立高松南を40点差で破っている。シード校であっても、ウインターカップ初戦に手こずるチームは多く、実際に何校ものチームが苦汁をなめてきた。それでも、薫英はいつも通りのパフォーマンスで難なく初戦を突破した。安藤コーチは言う。
「安城さんは昨日も良いゲームをされていました。ウチは初戦で緊張感もありましたが集中して入れました。トップリーグなど、たくさんの試合を経験させていただいてここにきているので、ゲーム慣れしているような感じで初戦に臨めました」
薫英は昨年のウインターカップで主力を務めた都野と熊谷のどかがオフェンスの中心だが、この試合では2人を含む先発の5人全員が2桁得点を記録し、攻守ともバランスの良さが目立った。「これまではツーガードの2人に得点が固まっていましたが、他の選手も取れました。下級生が2人(都野&熊谷)よりもディフェンスで厳しく当たれていて、そこは収穫です」と、安藤コーチも話す。
ウインターカップ制覇に向け最高のスタートを切った薫英だが、これは偶然の産物ではない。日々の練習、そしてインターハイで準優勝しながらも謙虚な姿勢を崩さないマインドセットの賜物だ。「チームには最初から100点満点で行くことを伝えています。私たちの100点満点を出しても優勝はできないと思っているので、100点、110点、120点と試合の中で進化していけるように。第2シードですが、そんなチームではないので、徐々に上げていくのではなく、最初からマックスで超えていかないと私たちのチームに優勝はないかなと」
過大評価せずにチームを律する安藤コーチだが「今日は最初から100点。持っている力は出してくれたかな」と笑顔を見せた。初のウインターカップ優勝に向け、視界良好と言える。