千葉ジェッツ

ミスマッチを突いた宇都宮が23-9のロケットスタート

千葉ジェッツと宇都宮ブレックスのチャンピオンシップ第2戦は、声援が送れなくても十分に伝わるホームのファンの盛り上がりにも後押しされ、試合前のアップから千葉が緊張感溢れる姿を見せていたのに対し、先勝した宇都宮はじっくりとシューティングに時間を取りました。ハードなディフェンスを志した千葉と、外からのシュートを重視した宇都宮という構図が試合前から出ていました。

宇都宮は鵤誠司が富樫勇樹とのミスマッチを生かしたポストアップで先制し、さらに鵤はフィジカルで押し込むドライブからレイアップ、ディフェンスがカバーの体形を取るとミドルシュートを決めていき、狙い所を明確にしたオフェンスでリードを取りました。しかし、開始3分で遠藤祐亮が2ファウルとなれば、比江島慎もオフェンスファウルをコールされてしまいます。フィジカルな戦いが増える中では、単なる得点差以上にファウルが持つ意味が大きくなっていきます。

鵤を止められない千葉は富樫と大倉颯太、そして原修太を並べたスモールラインナップへと移行します。スピードで対抗する策でしたが、交代直後に荒谷裕秀に3ポイントシュートを決められ、さらにコートに残ってインサイドで奮闘していたジョシュ・ダンカンがオフェンスファウルと、負けられない試合で後手を踏んでしまいました。インサイドのディフェンスこそ奮闘したものの、徹底して富樫のミスマッチを狙ってこられ、ヘルプにいってはキックアウトを連発されてしまった千葉が9-23と14点のビハインドで第1クォーターが終わります。

反撃したい千葉はミスマッチを狙われた大倉がパワーで跳ね返し、藤永佳昭のプレッシャーでターンオーバーを促すなどディフェンスが改善します。ところがシュートが決まらず、さらにダンカンが3つ目のファウルをコールされるなど、なかなか反撃できません。お互いに点が取れない中で、単発ながらアウトサイドから決めた宇都宮優勢で進む第2クォーターでしたが、ギャビン・エドワーズのダンクが決まると、そこから立て続けに富樫や佐藤卓磨のドライブも決まり、富樫のバックビハインドパスからジョン・ムーニーのレイアップに繋がり、千葉が流れを取り戻し、23-35で12点差で前半を折り返しました。

千葉ジェッツ

富樫の奮闘で粘るも一歩及ばず

後半も富樫のドライブが決まり、さらにクリストファー・スミスからムーニーのアリウープと、宇都宮はインサイドを守れなくなってしまいます。アウトサイドの宇都宮と、インサイドの千葉という構図は通常のイメージとは逆の展開ですが、これこそがお互いの長所を消しに行くチャンピオンシップらしさかもしれません。しかし、千葉をアクシデントが襲います。鵤のドライブレイアップを決めた際に、富樫が倒れ込みベンチに下がってしまいます。宇都宮が富樫のアウトサイドを警戒するからこそ、スペースが生まれていただけに、ドライブのきっかけを失ってしまいます。さらにスミスとダンカンも4つ目のファウルをコールされ、一時的とはいえ主力を欠いた状態になってしまい、48-56と8点差で最終クォーターに突入します。

戻ってきた富樫がタフな3ポイントシュートを決めますが、テーブス海も3ポイントシュートで返すと、さらにテーブスのキックアウトからチェイス・フィーラーの3ポイントシュートが決まります。宇都宮は終始、富樫に対してテーブスをマッチアップさせており、スピードで負けても運動量とウイングスパンで対抗する作戦がハマっています。残り5分で、そのテーブスが3ポイントシュートを決めて11点差に広げてベンチに下がりました。大きな仕事をしたテーブスによって宇都宮がリーチをかけて終盤の勝負へと向かいます。

ところがテーブスがベンチに下がった途端に富樫が躍動し、千葉が連続でオフェンスを成功させたため、すぐにテーブスが戻ってきます。しかし千葉の勢いは止まらず、残り2分には4点差で宇都宮がタイムアウトを取ります。ここで選んだのはテーブスのポストアップ。そこから逆サイドに展開し、比江島がドライブを決めます。なかなかリバウンドが取れない千葉は時間を消費されてしまいますが、それでもマイボールになると富樫がトランジションに持ち込み、バスケット・カウントを決めてチャンスを残します。

ここでキーマンになっていたテーブスを下げて遠藤が投入されると、鵤のキックアウトパスがコーナーで待ち構えていた遠藤にピタリと通り、残り12.7秒に3ポイントシュートを決めて宇都宮が勝負を決定付けました。

終始ファウルコールに苦しんでしまった千葉が最後まで粘ったものの、ピンポイントで千葉の弱点を突いた宇都宮の作戦が光り、最終スコア77-70で勝利し、連勝でセミファイナル進出を決めました。

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