ステフィン・カリー&ドレイモンド・グリーン

「今の僕たちが持つすべてをぶつけるつもりだ」

プレーイン・トーナメント初戦となるクリッパーズ戦を控え、ステフィン・カリーは「意味のあるバスケ」、ドレイモンド・グリーンは「16試合の選手と82試合の選手」という言葉を使った。ウォリアーズで多くを勝ち取ってきた2人は、この舞台に立てる感謝と必勝の気迫の両方を持ってプレーする。

カリーはここ数年、「意味のあるバスケがしたい」というフレーズを好んで使ってきた。彼はこの10年間を通じてトップスター選手としてNBAに君臨してきたが、チームは『王朝』と呼ばれた時期と、その後に波のある時期を過ごしている。ここ数年のアップダウンの中で、カリーは「意味のあるバスケ」という表現でチームを引き上げようとしてきた。

西カンファレンス10位でプレーインに臨む今も、カリーにとっては「意味のあるバスケ」ができる状況だ。「シーズン前に思い描いていたシナリオとは違うけど、生き残りを懸けて戦う機会だからね」と彼は言う。

カリーは「意味のあるバスケ」という表現をこう説明する。「僕たちが歩んできた長い道のりをどう終えるか、という概念から生まれた言葉だ。チームを強いまま保つのは大変なことで、僕たちがこの10年間やってきたことは本当に特別だと思う。トップに立ち、そこから落ちてまた這い上がって来る中で、優勝を狙うだけの強さを維持することが『意味のあるバスケ』なんだ」

「それはプレーオフだけを意味するわけじゃなく、プレーオフに至るまでにチームのアイデンティティを作る過程も含む。今シーズンはケガがあって十分な積み上げができたとは言えないけど、明日の試合では今の僕たちが持つすべてをぶつけるつもりだ」

そしてグリーンは、「16試合の選手と82試合の選手」という表現を好んで使う。彼はもちろん前者を自負しており、後者への評価は著しく低い。「キャリアで初めてプレーオフを経験して、プレーの強度が全然違うし、求められる集中力のレベルも違うことが分かった」とグリーンは言う。

「レギュラーシーズンで圧倒的な活躍をしていた選手が、プレーオフになると別人のように崩れることは少なくない。レギュラーシーズンでスタッツを稼げばカネになるけど、それは優勝するのに必要な選手じゃない。僕はその違いに一早く気付き、『16試合の選手』を目指すようになった」

一発勝負のプレーインも「意味のあるバスケ」で、厳密には16試合でなくとも「16試合の選手」であることが求められる。ただ、プレーオフで濃密な経験を重ねてきた2人は、プレーオフとプレーインが別物であることも理解している。

グリーンは言う。「プレーオフなら初戦を取りにいきつつも、勝敗に関係なくその後の調整が大事になる。それがプレーオフの醍醐味で、アジャストの勝負なんだ。負けたら終わりの一発勝負は大学バスケのようなもので、アジャストの時間なんてない。どちらがより激しくプレーして、ミスを抑えられるかの勝負になる」

グリーンは「プレーインの一発勝負は、プレーオフのGAME7に似ているかもしれない」と言ったが、カリーはまた違った認識を持っていた。

「GAME7は、それまでの6試合で相手のことを自分たち以上に知り尽くした状態で戦うから、たった一つの攻めや守りの修正が試合の流れを変えてしまう。だけど、プレーインは憶測で準備せざるを得ない。クリッパーズのスタイルや強みは分かっているつもりだけど、具体的にどんなプレーをしてくるかは分からない。試合の感覚はGAME7でも、プレーオフのような積み重ねはないね」

カリーは「16試合の選手と82試合の選手」について、「結局は結果がすべてだから、その場にならないと自分がどちらかは分からない」と持論を語る。「プレッシャーのかかる状況で屈するのか、跳ねのけるのか。あるいは不調だった試合の後で立ち直れるか。相手がこちらのやりたいプレーを完全に分かっている中で、それでも遂行して有利なマッチアップを突けるか。スポットライトを浴びる瞬間から逃げ出さず楽しめるか。プレーオフでは逃げも隠れもできない。奇策も通用しない。それを乗り越えた選手だけが『16試合の選手』の称号を得られるんだ」

ウォリアーズを長らく支えてきたカリーとグリーンは、一発勝負のプレーインで自分たちが「16試合の選手」であることを再び示し、「意味のあるバスケ」を続けようとしている。