ドイツ代表

3ポイントシュート26本中14本成功と大一番で絶好調

トルコとドイツの顔合わせとなったユーロバスケット決勝は、両チームの良さが存分に発揮されました。若きスター選手、アルペラン・シェングンとフランツ・バグナーがそれぞれ個人としての輝きを見せ、なおかつチームとしても機能するファイナルは見応え抜群。試合終盤までシーソーゲームが続く好試合となりました。

試合開始直後にビハインドを負ったドイツでしたが、バグナーがトランジションを制して一気に逆転に持っていきます。ドライブでペイント内に侵入してしまえば、ユーロステップからのフローターや滑らかなターンからのレイアップと、見事なステップワークで得点を奪い、さらにはトルコの速攻をチェイスダウンブロックで叩き落し、トランジションの連続で無双状態。トルコはバグナーを止めるためにも、インサイドのカバーリングを強めるしかありませんでした。

しかし、ここでマークが緩くなったアイザック・ボンガが次々とシュートを決めていきます。ボンガは試合を通して3ポイントシュート4本をすべて決めて20得点を挙げ、トルコのディフェンスプランを崩壊させました。シューティングに難があるボンガですが、決勝トーナメントに入ってから56%と高確率で3ポイントシュートを決めており、持ち味のディフェンスだけでなく得点面での貢献が目立ちました。

トルコはシェングンがハーフコートオフェンスで強さを発揮します。ローポストでボールを受ければ見事なスピンムーブでフックショットを沈め、それだけでなく3ポイントラインの外からでも巧みなボディフェイクでディフェンスを翻弄し、フローターやジャンプシュートでも得点。ドイツがマークマンを変えて対抗しようとしても、プレーチョイスの多さで相手にしませんでした。

アルペラン・シェングン

クラッチタイムの集中力と遂行力で後れを取ったトルコ

前半はトルコ優位で進みましたが、第2クォーター終盤にシェングンが1on1ではなく、ショーン・ラーキンとのツーメンゲームを仕掛けるとパスをもらう位置が悪く、チャージングで3つ目のファウルをコールされることに。これで第3クォーターはベンチスタートになり、オフェンスが構築できなくなったトルコは同点に追いつかれてしまいました。

シェングンを早めにコートに戻さざるを得なかったトルコですが、ドイツのディフェンスがシェングンへのパスコースを封じに来たのを見てジェディ・オスマンがプルアップで3ポイントシュートを決め、ラーキンはドライブからアダム・ボナのゴール下をアシスト。シェングン以外も機能することで、再び主導権を取ります。

一方のドイツはファウルトラブルのシェングンを攻め立てようとするも、インサイドアタックがなかなか決まらず。しかし、トリスタン・ダ・シルバ、ヨハネス・ティーマン、ダニエル・タイスとビッグマンたちの3ポイントシュートが次々に決まり、エンドラインのスローインからは狙いすましたプレーコールでアンドレアス・オベストもヒット。ドイツは試合を通して26本中14本の54%と驚異の高確率で3ポイントシュートを決めていき、逆転に次ぐ逆転という終盤戦になっていきました。

ドイツが1点リードで迎えた残り1分。ゴール下でパスを受けたシェングンが痛恨のシュートミスでチャンスを逸します。続いてのドイツはオフェンスでタイスがタフショットを打たされてシュートミスとなるも、ボンガがオフェンスリバウンドを奪い取ります。ここで時間を使ったデニス・シュルーダーが値千金のミドルシュートを決めて3点リードに。

タイムアウトを使ったトルコはオフェンスを構築できず、シェングンが苦しい体勢で3ポイントシュートを打つも決まりません。緊迫の展開の中でも正確なシュートとハードワークを続けたドイツが88-83で接戦を制しました。