
「簡単に物事が進むとは考えていません」
宇都宮ブレックスは、ファイナルのゲーム1で琉球ゴールデンキングスに81-68で勝利。攻守ともに自分たちのやるべき事をやり続け、終始試合のペースを握る危なげない勝利だった。そして勝てば通算3度目のBリーグ王者となるゲーム2。この試合も序盤から流れをつかみ、第2クォーター中盤には14点差までリードを広げる。しかし、ここから琉球の泥臭くて激しいプレーに後手に回ると、リバウンド、ルーズボール争いでも主導権を握られてしまい、第4クォーターには11-24と失速し、75-87の逆転負けを喫した。
宇都宮にとっては、優勝が目前に迫る中での痛恨の敗戦となった。エースのD.J・ニュービルも「タフな敗戦でした」と語り、後半に逆転を許した理由に「琉球がタフショットを決め、リバウンドを取られたこと」と、第4クォーターだけで8本のオフェンスリバウンドを許した点を挙げた。
また、ここまでチャンピオンシップを通してシュートタッチの悪かった琉球の荒川颯に、5本中3本の3ポイントシュートを決められたことが痛かった。荒川の爆発は宇都宮にとって大きな誤算となったと言えるが、ニュービルはそういったとらえ方をしていない。
「これが優勝経験のある強いチームです。あまり注目されていない選手がステップアップして、ビッグプレーを決める。だからこそ、彼らはこの場にいます。これはチャンピオンシップです。簡単に物事が進むとは考えていません。第3戦への準備はしっかりできます」
ニュービル個人としては、ファイナルはゲーム1が25得点6アシスト、ゲーム2でも21得点7アシストと2試合連続でエースの期待に応える見事なプレーを披露している。「ディフェンスに対してアグレッシブにプレーすることを意識しています。調子はとても良いですし、横浜アリーナは大好きです」と会場との相性の良さを感じている様子だ。
最後にニュービルは、ゲーム3へ向け「あと1試合を残すのみです。優勝トロフィーを掲げるためにただ自分たちのプレーをやり抜くだけです」と、いつも通りのプレーを貫くことを大切にするコメントを残した。琉球はリーグ屈指のフィジカルを誇り、激しいプレッシャーをかけてくるため、テンポよくパスを回すのは簡単ではない。だが、それでも第2戦の終了後、ジーコ・コロネルヘッドコーチ代行はこう語っている。「ボールがしっかり動く美しいバスケットボールをやっていきたい」宇都宮がいつも通りの華麗なボールムーブをできれば、それはニュービルの爆発につながり、自然と結果はついてくるはずだ。