千葉ジェッツ

後半早々に追いつかれるも、トランジションで再び突き放す

千葉ジェッツvs川崎ブレイブサンダースのGAME2は、第3クォーターに逆転を許しながらもトランジションから再び突き放す強さを見せた千葉が86-78で勝利した。

前半の主導権を握ったのはホームの千葉。ボールと人が連動したことでパスが良く回り、流れの中からゴール下にパスを入れてしっかりインサイドでスコアしていく。3ポイントシュートを決め切れないシーンが多かったが、オフェンス優位な状況を作り出したことで第1クォーターを18-16とわずかに上回る。

その後もオフェンスのリズムが良い千葉は、このクォーターだけで西村文男とジョン・ムーニーがそれぞれ2本ずつの3ポイントシュートを沈めたことでリードを広げた。ローテーションが間に合わずにイージーシュートを許すシーンはあったが、それ以外のほとんどの場面でタフショットを打たせるなど、ディフェンスも機能し38-30で前半を終えた。

だが、後半序盤に川崎の時間がやってくる。ピック&ロールからズレを作ると、前半はあまりボールに触れる機会の少なかったニック・ファジーカスがフリースローライン付近で起点となり、連動したボールムーブからイージーシュートの機会を作り出す。マット・ジャニングが個で打開し、トランジションから藤井祐眞が3ポイントシュートを沈め、さらにジャニングのロブパス反応したジョーダン・ヒースがファウルを受けながらアリウープを決め、開始2分半で12-2と走った川崎が逆転した。

その後、千葉がタイムアウトを要求し、立て直して以降は一進一退の展開が続いたが、スミスや藤永佳昭がボールをプッシュし、自らもバスケット・カウントを獲得するなど、トランジションが機能したことで千葉が再び突き放した。前半はゼロだった速攻からの得点をこのクォーターだけで12得点も記録。第3クォーターも千葉が上回り、62-53とリードを広げた。

結果として、この時間帯の攻防が勝敗を左右することになったが、川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは千葉のトランジションを許したこの時間帯をこう説明する。「ポイントになったのは千葉さんの控えメンバー。藤永君が9分くらいで13くらいのスコアを残している。シュートを入れるだけじゃなくバスケットはいろんな要素が絡んでくるし、それが勢いに繋がる。そこで勢いを作られ、彼に仕事をさせたことが大きなポイントだったと思います」

佐藤ヘッドコーチが言った控えメンバーの活躍は最終クォーターにも見られた。千葉が6点差に迫られ、タイムアウトを要請した直後には、西村文男が悪い流れを断ち切るミドルシュートを沈めた。さらに熟練のゲームメークを見せてリードを2桁以上に保つ重要な役割を務めた西村は、残り4分に5ファウルとなってコートを去ったが、会場からは労いの拍手が湧き上がった。

残り2分半には、藤永と西村からバトンを渡された先発ガードの富樫が、この試合最大となる15点のリードをもたらす3ポイントシュートを沈めた。その後、ほぼ試合の趨勢が決まったことで消極的になってしまい、2ポゼッション差に迫られたものの最終スコア78-86で逃げ切った。同一カードの連敗を回避した千葉は16勝5敗で再び川崎と東地区の首位に並んだ。