「僕たちのパフォーマンスに対する周りのエネルギーが違う」
ウォリアーズは2015年から4年連続でNBAファイナルに進出し、2015年、2017年、2018年にはNBA優勝を成し遂げ、王朝を築き上げた。
しかし、ステフィン・カリーやクレイ・トンプソンなど主力のケガが相次ぎ、2019-20シーズンは15勝50敗でリーグ最下位、翌2020-21シーズンもプレーイン・トーナメント進出が精一杯で、2シーズン続けてプレーオフ進出を逃した。たとえ王朝を築いたチームであっても、負けが続けば注目されなくなる。
それでも今シーズンはステフィン・カリーやドレイモンド・グリーンといったベテランだけでなく、アンドリュー・ウィギンズ、そしてジョーダン・プールなどの若手の台頭もあり、開幕から18勝2敗でリーグ首位を走っている。
強いウォリアーズが戻ってきたことで、彼らを取り巻く環境は再び変わった。カリーは「僕たちはこの業界が、そしてビジネスがどのように動いているか知っている」と語った。「注目されるためには、勝たなければいけない。アリーナの雰囲気だって今は違う。僕たちのパフォーマンスに対する周りのエネルギーが違うんだ。僕たちはただ勝ちたいと思っているし、そのためには何が必要かを理解している。そして、何よりもその状況に身を置きたい」
現地11月28日にステイプルズ・センターで行われたクリッパーズ戦で、カリーは13本中7本の3ポイントシュート成功を含む33得点に加えて、6アシスト6スティールのパフォーマンスを披露した。試合終盤にカリーが交代する際には、ロードにもかかわらずスタンディングオベーションが起きた。
カリー自身は王朝時代もプレーオフを逃した時もケガで離脱した時も、そして今も「ただ勝ちたいだけ」という気持ちで一貫している。それでも「このリーグがどれだけのスピードで変化しているかを理解しなければいけない」と続けた。
「ケガをしたり、決断を迫られたりしながらも、肉体的にも精神的にもこの場所に戻ってくるために必死に働き続ける。でも、その間にもNBAはどんどん先に進んでしまうんじゃないか、という気持ちが少しずつ湧いてきたんだ。ただ、僕たちはいくつかのピースをつかんでおけば、望んでいた場所に戻ることができると考えているよ」
今シーズンのカリーは、ここまで平均28.6得点、3ポイントシュート成功率42.3%でチームを牽引している。今は『ウォリアーズの復活』を楽しんでいるカリーだが、「バブルを見ている時が、この2年間で一番辛かった」と過去を振り返った。
「あの時は、リフレッシュができて良かったと思う部分もあれば、あの舞台でプレーしたいとの思いもあった。プレーオフに出られなかったのは7年ぶりだったしね。多くの選手が『バブル』を経験したわけだし、僕もあの場で戦ってみたかったよ。僕のバスケットボールの経験の中ではあの時が一番辛かったと言っても過言ではない」
「僕はただただ競争心が強いんだ。プレーオフに向けて準備することやチャンピオンシップを目指すことが、どれほど楽しいのか知っているだけに、バブルの時は大変だった。それこそが僕のモチベーションでもあるしね。だからこそ、今の状況を楽しんでいる。僕たちはまだ何も終わっていない」