ラジョン・ロンド

勝負どころを見極めて決定的な働きをする『コート上の指揮官』

ラジョン・ロンドがレイカーズと1年260万ドル(約2億8000万円)の契約を結ぶと『ESPN』が報じた。

ロンドは2018-19シーズンから2年間レイカーズでプレーし、2019-20シーズンの優勝に大きく貢献した。35歳の超ベテランでケガが多く、優勝したシーズンもコンスタントに働いたわけではないが、誰よりも高いバスケIQを駆使する『コート上の指揮官』は勝負どころを見極め、プレーオフでの戦いが進むにつれて存在感を増していった。レイカーズが10年ぶりの優勝を決める上で、優勝経験のあるレブロン・ジェームズとロンドのタッグは不可欠なものだった。

昨シーズンはホークスと契約を結ぶも、本領を発揮する前にヘッドコーチ交代があり彼もチームを離れることに。シーズン途中に加わったクリッパーズでカンファレンスファイナルまで戦ったが、大きなインパクトを残すには至らなかった。そして今オフ、グリズリーズにトレードされて、バイアウトが成立。かくしてレイカーズに戻ることとなった。

ロンドの役割は2シーズン前と変わらないはずだ。コンスタントな活躍は必要なく、試合の流れを読んで勝負どころで決定的な働きをしてくれればいい。ポイントガードのポジションではラッセル・ウェストブルックが長いプレータイムを得て、交代でロンドが入って来る。プレースタイルの全く異なる2人によりメリハリが、レイカーズの大きな武器になりそうだ。

そしてロンドは、2年前にそうだったようにフランク・ボーゲルのスタッフという一面も持つことになりそうだ。将来は指導者になると公言しているロンドにとって、スタッフのロッカールームを使い、日々のコーチミーティングに参加できるメリットは大きい。2年前はプレーオフだけ『特別待遇』を得られたが、今回はプレーヤーとアシスタントコーチの両方の役割を担う可能性もある。

それでも、レイカーズの『高齢化』はまたさらに進むことになった。35歳を超える大ベテランがレブロン、カーメロ・アンソニー、マルク・ガソル、トレバー・アリーザ、ドワイト・ハワードにロンドと6人もいる。経験が生かせるプレーオフより先に、まずはレギュラーシーズンをいかに戦い抜くかが問われることになりそうだ。