「『あの時、こうしておけば良かった』と思ってしまう」
昨シーズンのネッツはケビン・デュラント、カイリー・アービングのデュオに加えて、シーズン中のトレードによりロケッツからジェームズ・ハーデンを獲得し、破壊力抜群の『ビッグ3』を結成した。
アキレス腱断裂から復帰したデュラントは、負傷前と変わらぬパフォーマンスを続け、アービングとハーデンも各々の役割を理解し、スティーブ・ナッシュという『カリスマ』に率いられたネッツは、優勝候補としての実力を徐々に発揮していった。ところが、アービングとハーデンが肝心のプレーオフでケガに苦しみ、ネッツはカンファレンスセミファイナルでバックスに敗れた。
昨シーズン途中に加わったブレイク・グリフィンは、『SNY』とのインタビューで、心のどこかに『慢心』があったことを認めている。
「(バックスとの)シリーズが始まる頃、心の中で『ファイナルで対戦するチームはどこになるかな?』とか、『優勝できるかもしれない』と考えていた自分がいた。もちろん、相手も自分たちと良い戦いをしていたし、ウチが万全な状態でなかったのも痛かった。ただ、シリーズが第7戦までもつれたのは意外だったし、負けてしまった」と、グリフィンは敗れたシリーズを振り返っている。
「それからのシリーズでも、バックスが楽に勝ったと言うつもりはないよ。それでも(ホークスとのカンファレンスファイナルに)6戦、その次も6戦で勝った。ヤニス(アデトクンボ)がケガをしていたのにね。それに、(ファイナルで)サンズを相手に4連勝して優勝を決めた」
勝負の世界で『たられば』を口にするのは禁物だ。それでも、グリフィンには後悔していることがあった。「負けるのはいつだって辛い。振り返って、『あの時、こうしておけば良かった』と思ってしまう。ただ、それは毎シーズンで起こること。新たなシーズンへのモチベーションになるし、集中して取り組む要因にもなる」
オフにフリーエージェントになったグリフィンは、早々にネッツと再契約した。昨シーズンと同様に、彼は勝つためにセカンドユニットでの起用でも受け入れ、与えられた役割をこなすだろう。心に去来する後悔を断ち切るには、優勝するしかない。