追いつめられたクリス・ポール「自分たちの運命は自分たちで決める」
大接戦となったファイナル第5戦で逆転勝利を収めたバックスはNBA制覇に王手をかけた。
悲願の優勝を果たすべく明日の第6戦に集中しているヤニス・アデトクンボは、平常心を保つことの難しさに直面していた。「難しいよ。明日の瞬間のために一生懸命やってきたんだ。考えないようにするなんてとても難しい。試合の夢を見ることだってあるんだから」
メンタルがパフォーマンスを左右することはよくある。落ち着いて試合に臨むことが重要とされるが、優勝が決まる大一番の前にリラックスできる選手のほうが少ないだろう。アデトクンボはそれを熟知しているからこそ「今は自分を律しなければいけない時」と、冷静さを保とうとしている。
「興奮しすぎるのも良くないし、試合前に興奮と熱狂で緊張してもいけない。だから、できるだけ規律を守るようにしている。今の時点で僕にできることは何もないし、なるべく考えすぎないようにしている」
一方、後がなくなったサンズのクリス・ポールはアデトクンボとは対照的に「もう振り返ることはできない。勝つか、帰るか、どちらかしかないんだ」と興奮気味に語った。
ホーム&アウェーの7戦方式のフォーマットとなったNBAファイナルで、2勝3敗と追い込まれたチームが逆転優勝したのは25回中4回(16%)しかなく、サンズは圧倒的に不利と言える。それでもポールは過去のデータにとらわれることなく、「自分たちには結果を決めるチャンスがある」と自信をのぞかせた。
「コーチやみんなも言っていたことだけど、もしシーズンの初めに今の状態になるチャンスがあると言われたら、君は信じるかい?そうだろ。僕たちには結果を決めるチャンスがあるんだ。シミュレーションされるわけでも、他の誰かがプレーするわけでもない。自分たちの運命は自分たちで決める」
バックスが優勝を決めるか、それともサンズが奮起し『GAME7』に持ち込むか。運命の第6戦は明日の10時にティップオフとなる。