町田瑠唯

存在感見せるも「まだまだできる、課題のほうが多かった」

女子日本代表はポルトガルとの国際強化試合『三井不動産カップ2021』神奈川大会を3戦全勝で終えた。第1戦と第2戦は20点差を超える圧勝だったが、第3戦はポルトガルのフィジカルかつ前線から当たってくるディフェンスに手を焼き、苦戦するも9点差で勝利した。

この強化試合は東京オリンピックのメンバーを決める大事なトライアウトの場でもあるため、何度も選手交代をして様々な可能性を模索した。しかし、第3戦ではそれをする余裕がなく、指揮官のトム・ホーバスも「良いリズムができなかったからスターティングメンバーを長い間出した。経験させたかったけど、ベンチメンバーを出すことができなかった」と素直に語った。

ケガ人に無理はさせないという事情を抜かせば、この試合のプレータイムが現在における新生女子代表の序列と見てもいいだろう。そのため、先発起用され、チームで3番目に長い28分29秒のプレータイムを与えられた町田瑠唯は、ポイントガード枠で一歩抜けだしたと言える。町田は高速トランジションを操りつつ、巧みなゲームメークで7得点9アシスト(ゲームハイ)を記録した。

チームは3戦全勝と素晴らしい結果を残したが、町田は「どの試合も重い展開になってしまったという印象」と、手放しで喜ばなかった。「小さいので走るバスケをしないといけません。そのためにはハードにディフェンスをして、リバウンドを取ってターンオーバーを誘って走る展開に持って行きたい。でもイージーにやられてしまったり、相手のプレッシャーに圧されて、自分たちのリズムにできなかったです」

町田がそう言うように、特に第3戦は相手のプレッシャーに圧され、ボール運びさえも苦しむ場面が見られた。だからこそ町田はネガティブな部分に目を向け、日本が持つポテンシャルを出し切れていなかったと厳しい評価を下した。「代表経験がない選手も多かったですし、まだまだできる、課題のほうが多かったと思います」

町田瑠唯

磨きがかかったゲームコントロール力

このようにチーム全体を総括した町田だが、自身への評価はさらに辛口だ。「特に2戦目はターンオーバーが多かった印象です。リズムが乗りそうな時にターンオーバーをしてしまって流れを切ってしまったり、ターンオーバーにはなっていないけど、判断ミスをした場面が何度かありました」

厳しい意見が続いたが、もちろん収穫もある。第3戦はボールが良く回り、相手の裏を突いた連携プレーもよく見られた。町田は狙い通りのプレーだったと明かした。「相手のフィジカルは強いですけど、自分が出た時はドライブや早いパッシングでズレを作って、1対1をやろうと思っていたので、それは良かったです」

第3戦は開始5分弱で先発全員が得点し14-2と最高のスタートを切った。トランジションが機能し、皆が連動し、攻守ともに理想のバスケを体現していた。そして、このリズムを作り出していたのは紛れもなく町田だった。

「ゲームコントロール、ペイントアタックからのキックアウトは求められていると思います。あとはもっと打ってほしいと言われているので、もうちょっと積極的に攻めていきたい」と、町田は自身の役割を語った。世代交代が進みつつあるが、代表経験豊富な町田の存在感は今後も色褪せない。