「重圧がかかる場面で自分のプレーレベルを上げられる」
プレーオフ最後のイスを懸けたプレーイン・トーナメント、ウォリアーズvsグリズリーズの一戦はオーバータイムにもつれる激闘の末、ジャ・モラントが決勝シュートを沈めたグリズリーズが117-112で勝利した。
グリズリーズはディロン・ブルックスを中心にステフィン・カリーをフェイスガードで徹底的にマークし続けた。その結果、周りの選手に得点されることもあったが、相手のエースを封じたことで波に乗らせなかった。そして、10人でローテーションするグリズリーズはこの試合のベンチポイントで40-27と大きく上回ったように、セカンドユニットが違いを作り、前半で13点のリードを奪った。
その後もグリズリーズのペースで試合は進んだが、時間が経つにつれてシュート精度が下がり点差を詰められた。カリーへの徹底マークは成功していたが、その少ないシュートチャンスをモノにされ、残り1分12秒にカリーにフリースローを決められて同点に追いつかれた。
同点で迎えたウォリアーズのラストポゼッション、ダブルチームを受けたカリーはドレイモンド・グリーンにボールを託す。数的有利の状況でグリーンはリングへとアタックしたが、このフローターが外れて試合は延長戦に突入した。
リードを守り切れず、終盤に追いつかれたグリズリーズのほうが劣勢に思われた。それでも、強気な姿勢を貫いたグレイソン・アレンの2本連続の3ポイントシュートで息を吹き返すと、チームハイの35得点を挙げたモラントが輝きを放つ。モラントはゼイビアー・ティルマンSr.の3ポイントシュートをお膳立てし、自らもフローターを決めてリードを拡大。そして、3点リードで迎えた残り4.5秒、スピンムーブから再びフローターを沈めて5点差とし、試合を決定づけた。
46分間のプレータイムで35得点6アシスト4スティールを記録し、チームを勝利に導いたモラントは「最高の気分」と話し、昨シーズンのプレーイン・トーナメントで敗れ、プレーオフを逃した経験が生きたと語った。
「ルーキーシーズンにもチャンスがあったけど、あと一歩で勝てない試合もあった。その経験から学んで、やらないといけないことが分かった。重圧がかかる場面は好きだし、そういう場面で自分のプレーレベルを上げられる」
この勝利で第8シードを確保したグリズリーズはファーストラウンドでリーグ最高勝率のジャズと対戦する。モラントは「レギュラーシーズンでは2敗したと思う。相手はリーグベストの戦績を残したチームだから、自分たちのプレーに集中しないといけない」と、警戒しているが、アップセットする自信も備えている。
「僕たちは若いチームだけど、チームにはプレーオフ経験者もいる。ポイントガードの自分がリーダーにならないといけないし、自分たちのプレーをしないといけない」
2年目ながら試合を支配し、初のプレーオフ進出を勝ち取ったモラント。ウォリアーズを倒した勢いそのままに、番狂わせを起こす可能性は十分にある。