アルバルク東京

0-18と失速するも、立て直して接戦に

アルバルク東京が横浜ビー・コルセアーズをホームに迎えた一戦。A東京が71-73の2点ビハインドで迎えたラストポゼッション、逆転を狙ったザック・バランスキーの3ポイントシュートが外れ、レギュラーシーズン最後のホームゲームを勝利で飾ることができなかった。

19-19と全くの互角で迎えた第2クォーター、ゾーンとマンツーマンを織り交ぜるチェンジングディフェンスが機能した横浜が流れをつかむ。スムーズなローテーションでズレを作らせず、トラップディフェンスも効き、A東京から24秒バイオレーションを誘発。さらにインサイドに侵入されても粘り強くシュートチェックにいくことで、A東京のシュートはリングに嫌われ続けた。その結果、A東京を約7分間無得点に抑えることに。

好守備はオフェンスにも良い影響を与える。横浜はこのクォーターだけで5つのスティールを記録し、そこから速攻に持ち込むなど、効率良く得点を重ねた。レジナルド・ベクトンはダブルチームを受けても冷静にボールをさばいてディフェンスのズレを生み、パトリック・アウダは味方との連携から高確率でペイント内で得点した。竹田謙が味方との合わせからレイアップを沈めてリードを2桁に乗せた。

A東京は0-18のランを受け最大16点のビハインドを背負ったが、須田侑太郎とバランスキーの3ポイントシュート成功で息を吹き返し、ケビン・ジョーンズの得点でこのクォーターを締めた。後半に入ると、7点ビハインドまで戻して前半を終えたA東京がペースを握る。

ディフェンスではベクトンへのダブルチームを継続しつつ、寄り過ぎないことでズレを作らせなかった。3秒バイオレーションを誘発するなど、第2クォーターのお返しとばかりに、このクォーターだけで6つのターンオーバーを奪う。そして、オフェンスでは小島元基がバスケット・カウントを獲得するなど、個の打開でリズムをつかむと、田中大貴のクリエイトから安藤誓哉が連続で3ポイントシュートを沈め、中盤に逆転した。

アルバルク東京

「リズムが作れない中でのオフェンスに」

その後、横浜もカーターやアウダの得点で持ち直し、ここから終盤まで拮抗した展開が続いた。A東京がわずかに1点をリードしてオフィシャルタイムアウトを迎えたが、A東京はこの時点でチームファウルが4に到達し横浜は0。結果的にこのファウル数が勝敗を分けた。

リードチェンジを繰り返す接戦の中で、A東京は横浜にラスト5分間で6本のフリースローを与えてしまった。シュートファウルでのフリースローもあったが、リバウンド争いから与えたものもあり、イージーに得点を与えてしまったことが響いた。そして、最後のオフェンスのシーンでも少なからずファウルの影響があった。水野宏太ヘッドコーチ代行はこのようにラストプレーを振り返った。

「スクリーンをかけた上でピック&ロールとピック&ポップにいく状況をデザインしました。ただ、横浜のファウルが溜まっていなかったので、ファウルを使って時間を使わせることができる状況になってしまっていた。自分たちのリズムが作れない中でのオフェンスになってしまい、もっと良いプレーを選択しなくてはいけなかったと反省しています」

実際、横浜はA東京が最後のタイムアウトを取った後の残り9秒の場面でファウルを使った。もう一度ファウルが来るかもしれないという迷いが生じることになり、最後の場面でバランスキーはマークを外すことができないまま、タフな3ポイントシュートを放つことになった。

横浜のカイル・ミリングヘッドコーチは「前回の対戦で勝利できたことが自信になっていた。チームの最多勝に並んでいたことがモチベーションになり、これを超えようと高い集中力でパフォーマンスした選手たちを誇りに思う」と、会心の勝利を喜んだ。

横浜はクラブの最多勝利数を更新する19勝でシーズンを終えた。A東京はアウェーで行われる5月7日の新潟アルビレックスBB戦がレギュラーシーズン最終戦となる。