勝機を逃さず16-2のランで一気に逆転
サンロッカーズ渋谷vs秋田ノーザンハピネッツの第2戦。秋田のゾーンディフェンスに苦しみ追いかける展開が続いたが、後半にディフェンスのギアを上げ、第3クォーターを32-14と圧倒したSR渋谷が98-79の逆転勝利を収めた。
前半はゾーンディフェンスが機能した秋田が主導権を握った。秋田は開始4分過ぎにアレックス・デイビスが、第2クォーター開始直後にハビエル・カーターがそれぞれ個人2つ目のファウルをコールされてしまう。ファウルトラブルに陥り、外国籍選手がいない、いわゆる『オン0』の時間帯が多くあったが、野本建吾と王偉嘉がインサイドで踏ん張り、決して弱点にしなかった。
もちろんインサイドを狙われたが、ガード陣が豊富な運動量で駆け巡り、駆け引きもうまく絡めたことでインサイドの失点を最小限に留めた。また、野本と王は速攻のフィニッシャーとなるなど、オフェンス面でも良い影響を与えた。秋田は速攻からの得点で12-1と大きく上回ったことで49-44とリードして前半を折り返した。
だが、後半に入り、ディフェンスのギアを一段上げたSR渋谷が試合をひっくり返す。前線から激しいプレッシャーを与え、ハーフコートに入った瞬間にダブルチームを仕掛けるなど、攻めのディフェンスを披露。ハイプレッシャーに耐えられなくなった相手の不用意なパスを狙い、このクォーターだけで9個のスティールを誘発した。
オフェンスでは、後半はマンツーマンも織り交ぜてきた秋田に対し、ジェームズ・マイケル・マカドゥが個の力で打開。残り4分18秒、マカドゥがデイビスから個人4つ目のファウルを誘発してベンチに追いやり、チームファウルも4に到達させた。その後、このクォーターで10得点を挙げたマカドゥを強調したSR渋谷がついに逆転。さらにこの機を逃さないSR渋谷が怒涛の猛攻を見せてリードを広げていった。
秋田は残り1分の場面で4ファウルのデイビスを戻し勝負に出たが、細谷将司と古川孝敏がトラップに引っかかり、悪い流れを変えることができず、第3クォーターのラスト約4分間で2-16と一気に失速した。
こうしてディフェンスから流れを引き寄せたSR渋谷がジワジワと点差を拡大。残り5分、この日チームハイの24得点を挙げたライアン・ケリーの3ポイントシュートが決まり、点差を20に乗せたところで勝負アリとなった。
「サンロッカーズらしいディフェンスを表現してくれた」
秋田の前田顕蔵ヘッドコーチは「前半は良い形で持って行けたんですけど、後半に渋谷さんのプレッシャーに潰されてしまい、そこから大きくリズムが狂った」と試合を総括。また、外国籍選手が2人しかいない状況を鑑み、「チームとしてどうやってこの精度を40分間保てるかを突き詰めなきゃいけないですし、采配の部分で選手の力を最大限出せるようにしていかないといけない」と自身への課題も挙げた。
一方、勝利したSR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチは勝因となった後半のパフォーマンスについて「サンロッカーズらしいディフェンスを表現してくれた」と語った。「明確だったトランジションディフェンスだったり、プレッシャーがかかっていないからもう一回やろうとハーフタイムに話をしました。ゾーンも織り交ぜながらですが、自分たちのペースに持っていけました」
特にターンオーバーを何本も誘発した第3クォーターのディフェンスが勝利を大きく呼び込んだが、意図的にインテンシティを高めたわけではなかったとも明かした。「意図的ではなく、秋田さんのオフェンスの切り替えの速さだったり、激しいディフェンスにテンポを崩され、結果的に前半は自分たちのテンポに持っていけませんでした」
それでも、チャンピオンシップを巡る戦いが激化していく中での秋田からの価値ある勝利、そして連勝を6に伸ばし「良い週末になった」と伊佐ヘッドコーチは勝利の余韻に浸った。
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