保岡龍斗

「できていない時間帯をどれだけなくすかがシーズン後半戦の課題」

東地区7位の秋田ノーザンハピネッツはアルバルク東京とのホームでの水曜ナイトゲームに62-76で敗れ、東地区6位のA東京とのゲーム差は2になった。

敗れはしたが、2月中旬のバイウィーク以降、A東京を80点以下に抑えたチームは秋田が初めて。前田顕蔵ヘッドコーチが「東京さんの素晴らしいピック&ロールと、個人のところは対策していました」と試合後に明かしたように、前半はA東京のガード陣に対して前線からプレッシャーをかけ、フロントコートに入ってもピック&ロールを封じてチームオフェンスを組み立てさせない秋田のディフェンスが効いていた。

この試合で11得点を挙げた保岡龍斗も「試合全体を通してやりたいことはできていました」と言うが、こう続けた。「できていない時間帯をどれだけなくすかがシーズン後半戦で勝ち星に繋げるための課題でもあるので、そこをみんなで一貫してやっていかないといけない。長い時間、試合に出ている人がやるのではなく、全員が遂行しないと勝てないと思いました」

保岡が言う『できていない時間帯』というのが、10-28とビッグクォーターを許した第3クォーターだ。「東京さんがディフェンスのプレッシャーをかけ始めたり、ウチのフォーメーションが読まれた時に良いオフェンスができずに、それをディフェンスにも引きずってしまった」。こう振り返ったように、秋田はA東京のペイントアタックに何人ものディフェンスが寄ってしまい、キックアウトからのオープンシュートを立て続けに許した。

それでも、最終クォーターにはオールコートディフェンスを仕掛けてA東京のリズムを崩すと、オフェンスでもアレックス・デイビスのインサイドプレー、そして保岡の積極的なアタックにより逃げるA東京を苦しめた。

保岡龍斗

「やるべきことをやれば、どんなに強いチームでも戦える」

チームのオフェンスが重い時に、流れを変えるための積極的なプレーは必要だ。実際に、このA東京戦でも保岡のアグレッシブなプレーは良いリズムを生み出した。それでも前田ヘッドコーチが、チーム全体について「オフェンスでは『自分が決めないと』という気持ちからシュートのセレクションが悪かったり、ボールに寄っていってしまうケースが多かった」と振り返ったように、勝利への気持ちを前面に出しつつも、協調性を保ってプレーすることが大切だ。

保岡自身も「そこは難しいところだと思います」と語る。「自分が自分が、ってなることは良いことでもあり悪いことでもあるのかなと思います。その中でタフショットを打っていたら良くないオフェンスだと思いますが、自分の持ち味を出して勝負できているのであれば、僕は良いと思います。僕はそういうスタンスでやってきたので、そこでやらなくなるとオフェンスが重くなってディフェンスに引きずってしまうこともあります。僕個人の考えですが、今日は10点ビハインドだったので攻めても良かったと思います。ただ、そこが1点差、2点差であればもう少しチームで作って攻めた方が良いのかなとは思いました」

秋田はここまで25勝20敗とB1での4シーズン目にして初めて勝率5割超えを記録している。これまでのシーズンでもA東京に勝利したことはあったが、今シーズンはここまで1勝1敗と互角の戦いを繰り広げている。大学3、4年次の特別指定も含め秋田在籍5年目を迎える保岡は「自分たちのやるべきことをやれば、どんなに強いチームでも戦える」とチームの成長を実感している。

ここからのシーズン終盤戦では東地区上位チームとの戦いが続くが、保岡はあらためて『全員バスケ』を強調し、こう意気込みを語った。「僕たちはタイムシェアをする全員バスケのチームなので、全員がしっかりとやっていけばタフな試合でも勝てると思います。誰か一人が頑張るのではなく、全員で頑張れば勝てると思うので、これからは東地区との連戦が続きますけど、僕たちは一戦一戦チャレンジャーとして勝負していきたいです」