川崎ブレイブサンダース

24得点13リバウンド12アシストを記録「東地区優勝を狙う」

川崎ブレイブサンダースと横浜ビー・コルセアーズの神奈川ダービーは、川崎が今シーズン3度目の100点ゲームで快勝した。

今シーズンここまで、横浜は3度の川崎戦で3敗しているものの、そのうち2つは1点差と2点差、ブザービーターでの惜敗となっており、勝率では倍の開きがあってもダービーマッチとなればチーム一丸で食らい付く奮闘が目立っていた。琉球ゴールデンキングスと宇都宮ブレックスを相手に4連敗を喫していても内容は悪くなかったのだが、この試合では一転して相手の勢いに終始飲まれることとなった。ヘッドコーチのカイル・ミリングは「(琉球戦、宇都宮戦の)エナジーが今日は出せず、ディフェンスも上手くいかず、ケガ人も多く、相手にタフなディフェンス、エナジーで上回られてしまった」と語った。

最初のポゼッションでロバート・カーターが幸先良く得点したものの、そこから第1クォーターだけで6本の3ポイントシュートを決められ25失点。2桁のビハインドを背負うと、一度も追い付けなかった。

川崎は持ち味であるプレッシャーディフェンスが機能し、序盤から3ポイントシュートに当たりが出たことでインサイドとアウトサイドのバランスが良く、試合を通じて35アシストを積み上げた。とりわけ好調なプレーを見せたのがニック・ファジーカスだ。長身を生かしたハイポストでのボールキープから、サイズのミスマッチであれば強引に押し込み、横浜のディフェンスがダブルチーム、トリプルチームを仕掛ければ、素早い判断でパスを出して次々とアシストを記録していった。しかも自身最初の得点は3ポイントシュートで、外からのシュートも好調だったため、横浜ディフェンスは守りどころを絞れない。周囲の選手のポジション取りも良く、リズムに乗っているファジーカスにクリエイトを任せながらも、全員が傍観者になることなく攻め気を出し、ファジーカスのパスを引き出してはバランス良く得点を重ねた。

川崎のオフェンスがほぼ完璧なパフォーマンスを見せる中、横浜もシュート自体は好調で、ロバート・カーターとパトリック・アウダを軸に反撃。第3クォーターには森川正明が10得点と爆発するなど、良いオフェンスは多くて何度か勢いに乗って点差を詰めている。それでも3ポイントシュートが20本中3本成功では打ち勝つことはできない。指揮官の「タフなディフェンス、エナジーで上回られた」の言葉通り、ディフェンスから試合の流れを呼び込めなかったことが敗因となった。

米須玲音

終盤に登場した米須玲音は2アシスト「学んで吸収していきたい」

ファジーカスは24得点13リバウンド12アシストで3年半ぶりのトリプル・ダブルを記録。「今日は早い段階でシュートがしっかりと決まってエナジーをもってプレーができました。相手も研究してきている中でも今日はスペーシングをしっかりと利用してシュートを決めきることができたのが良かったと思います」と語るとともに、「まだ東地区優勝を狙っている」と明言。首位とは5.5ゲーム差があるが、上位の宇都宮、千葉とはまだ連戦を残しており、その可能性をファジーカスは突き詰めていくつもりだ。

またこの試合の終盤では特別指定選手の米須玲音が半月ぶりにプレーしている。22点差で勝敗が決した後の3分46秒のプレーとなったが、インサイドでシールしたパブロ・アギラールの動きを見逃さずにパスを送り、また速攻から素早い判断でリングに走るジョーダン・ヒースに合わせて、2つのアシストを記録した。

米須は「久々に試合に出られて、2アシストもできて良かったです。チームにいるのはあと少しですが、いろいろな経験をして、学んで、吸収していきたい」と貪欲な姿勢を見せる。彼がチームに帯同するのは3月末まで。「あと3試合ありますが、試合に出ることができたらしっかりとやるべきことをやって、試合に出られなかったとしてもベンチからしっかりと盛り上げていきます」と、どんな形であれ最後までチームに貢献することを誓った。