プロ11年目にしてキャリア初の日本一をつかんだ川崎ブレイブサンダースの大塚裕土「あきらめずに優勝を追いかけて良かった」

プロ11年目にしてキャリア初の日本一をつかんだ川崎ブレイブサンダースの大塚裕土「あきらめずに優勝を追いかけて良かった」

2021/03/19 12:00
大塚裕土

天皇杯制覇で久しぶりのタイトル獲得となった川崎ブレイブサンダースだが、大塚裕土にとってはプロ生活11年目でつかんだキャリア初の優勝だった。昨シーズン開幕前に優勝するために川崎へ加入。今シーズンはプレータイムが減り、得意の3ポイントシュートも安定しない苦しい時期を乗り越え、決勝では前半で3ポイントシュート2本成功を含む8得点と勝利に大きく貢献したベテランに心境を聞いた。

「33歳ですけど、年齢に関係なく少年のようにはしゃいだ」

──あらためて悲願の優勝を達成したことへの思いを教えてください。

優勝した瞬間は、今までのキャリアのフラッシュバックみたいなものがちょっとありました。これまでの経験を経て、ようやくここにたどり着いた思いですが、涙は出なかったです。正直、優勝したら泣くと思っていましたけど、終始笑顔でした。本当にただうれしかったです。

──表彰式など、いろいろとある中で、最も優勝した実感やうれしさが込み上げてきたのはどういった瞬間でしたか

bjリーグ時代から、テレビでファイナルを見ている時に表彰台に立っている選手がどういう光景を見ているのか気になっていて、自分もそれを見てみたい思いはありました。実際、優勝記念のTシャツを着て表彰台に立ち、今までにない景色を見られたし、体験もできました。もう33歳ですけど、年齢に関係なく少年のようにはしゃいで、うれしさだけでしたね。

──決勝を振り返ると、いつも通りにプレーできたのか、どういう手応えでしたか

やっぱりbjリーグのファイナル、昨年の決勝を経験したのはすごく大きかったです。お客さんが声を出せない中でも大舞台独特の雰囲気はあり、それを自分たちに引き寄せることができないと勝つ確率は高くならないと、これまでの経験から思っていました。もちろん、戦術面などやるべきことをしっかりやった上で、それ以外の部分もタイトルが懸かる試合ではより大事になる。会場の雰囲気を味方につける意味では役割を全うできました。また、他の選手が力を出せるように声を掛けたりする、重い雰囲気をできるだけなくすことを心掛けていました。

──辻直人選手が会見で大塚選手、熊谷尚也選手、長谷川技選手から「試合に出ているの?」と言われたことで精神的に楽になったと言っていました。そこは意識して声掛けをしていたんですか?

「試合に出ているの?」と言ったのは長谷川ですね(笑)。ただ、シュートを見ても力みがあって本来の彼のフォームではなかったので、後半の時に「ちょっとリラックスした方が良いんじゃない?」とか「ちょっと笑ってみたら?」という話は少ししました。その後、あの場面でシュートを決めてチームに流れを持って来るのは、さすが辻選手です。個々の特徴とかパフォーマンスの出し方まで、チーム内で共有できていたのが大きいと思いました。

大塚裕土

「今大会はすごく自信に繋がりました」

──得意の3ポイントシュートはシーズン序盤、確率が上がりませんでした。その中でもここに来て確率を上げてきて、今回の大舞台で結果を出しました。

あのプレータイムの中で、自分のパフォーマンスができたところは自分でも評価しています。天皇杯前の何試合かでは、3ポイントシュートが確率良く決まらず不安を抱えながらのファイナルラウンドでした。それが決勝で決めることができ、やっぱり信じ続けて打つことでパフォーマンスを発揮できるとあらためて思いました。今大会はすごく自信に繋がりました。

──信じ続けるのも簡単ではないと思います。そこはずっとブレずにやってこられたのか、それとも厳しい時期もありましたか

正直、厳しいことの方が多いです。ブレることもありました。ただ、今までの経験もあってやるとなった時の吹っ切れる力は持っていると自負しています。不安になった状況でもいろいろ考えて一周回って吹っ切れた部分は、今回もあったと思います。

──「タイトルを取るために川崎に来た」と言って有言実行できました。それに対して、今はどんな思いですか

素直にこういう環境でないと優勝できないという自分の考えがあって川崎に来ました。その選択が間違っていなかったと証明することができたので、そこは安心しました。それにやっぱり、あきらめずに優勝を追いかけて良かったなと強く思っています。

──キャリアを積み重ねていく中で、タイトルを取れないかもしれないと不安に駆られたことはありましたか?

もうそれしかないですね。本当に決勝の前は「もしかしたら今日で最後のチャンスかも」という気持ちはありました。リーグ戦はこれからですが、もしかしたらケガをするかもしれないし、何が起こるかは分からないです。プロ選手となって今年が11年目ですが、このまま優勝できないままでキャリアが終わるかもしれない。歳を重ねて現役生活の終わりが近づくにつれその思いは強くなり、正直、不安しかなかったです。

──最後にこの天皇杯の優勝を弾みにして、リーグ戦との2冠に向けてどのように終盤戦を戦っていきたいか、意気込みをお願いします。

昨シーズン、天皇杯の決勝の後の3連戦は疲労もあったと思いますが、苦労しました。最初の試合はアウェーの三遠ネオフェニックス戦で、第1クォーターに大量リードを許す展開から始まってしまいました。次の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦もアウェーなので、入りは大事にしていきたいです。

東地区優勝をターゲットにする中、一つも落とせない試合がこれから続いていきます。中でも4月はチャンピオンシップの戦いのような強豪との連戦となっています。コンディションをしっかり整え万全の状態でパフォーマンスすることが重要で、その中で一つずつ勝っていきたいです。

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