岡本彩也花「ENEOSのバスケットを」
Wリーグは今週末に開催されるプレーオフファイナルに向けた記者会見を行った。セミファイナルでデンソーアイリスとの激闘を制し、ファイナルへ駒を進めたENEOSサンフラワーズからは岡本彩也花と林咲希が参加した。
岡本がセミファイナルの試合後の会見で「今、チーム11年目ですが、セミファイナルでここまで競ったのは初めて」と語ったように、デンソー戦は第1戦を73-72、第2戦では69-67と大接戦の末に勝利を収めた。
第1戦では髙田真希に32得点、第2戦では本川紗奈生に20得点を許した。岡本は「一人の選手にたくさん得点を取られるような展開では厳しい。試合の中で早めにアジャストして戦おうと考えていましたが、全員が同じように意識することができなくて、なかなか離せませんでした」とセミファイナルを振り返った。林も「どちらの試合も出だしをやられて苦しい展開が続きました。それでも途中で出てくる選手が良い仕事をしてくれて、最後は岡本選手がハッスルしてくれて勝ち切ることができました」と続けた。
結果的にENEOSが連勝で駒を進めたが、2試合合わせてわずか3点差での勝利とあって、どちらが勝ってもおかしくはないゲームだった。そのため林は「セミファイナルでは離せそうなところで離せなかったり、逆転できそうなところでできなかったので、そこを修正していきたい」とファイナルに向けての改善点を挙げた。
他チームからしたら渡嘉敷来夢や梅沢カディシャ樹奈といった主力のケガが相次いでいる今シーズンは、ENEOSを倒すチャンスではある。それでも、いざプレーオフが開幕すると、誰が出ても強度が落ちないスピードあるバスケットを展開し、あらためて『女王』の強さを見せつけている。
岡本は「渡嘉敷と梅沢がいなくて高さがない分、苦労していますけど、他のチームはもともとその状態で戦っています」と言い、チーム状況がどうであれ、それぞれの役割を全うすることが大切だとあらためて強調した。「今までよりも走ってリバウンドを取らないといけませんが、一人ひとりが徹底することで自分たちのバスケットができるし、役割は変わりません。誰が出ても自分の仕事を40分間行って、ENEOSのバスケットをすることが鍵になります」
林咲希「相手がスイッチしてきても慌てないことが大事」
ファイナルで激突するトヨタ自動車アンテロープスは、ゲームメーク力に優れた司令塔の安間志織、サイズがありながらもオールラウンドにプレーできる馬瓜エブリンや長岡萌映子に加え、セカンドユニットで出てくる若手も流れを変えることができる勢いのあるチームだ。
岡本はトヨタ自動車について「誰が出てもしっかりと仕事をしてくるのがトヨタの強みで、層が厚いチーム。オフェンスリバウンドにはセンターだけでなく全員で飛び込んできます。皇后杯でウチはそこが甘かったので全員で止めにいきたいです」と答えている。
また、セミファイナルで富士通を苦しめたトヨタ自動車のスイッチディフェンスについて、林は「相手がスイッチしてきても、慌てないことが大事。スイッチしてきても、そうでなくても走るバスケットが自分たちのバスケなので、そこを変えずにやっていきたいです」とコメント。そして「最後だからとかではなく自分たちのバスケットをやりきることが優勝に繋がる」と相手に惑わされるのではなく、いかにENEOSのバスケットができるかが大事だと林は意気込みを語った。
12連覇というプレッシャーだけでなく、今シーズンはケガ人も抱えており、いつも以上にENEOSにとって挑戦的な大会となる。セミファイナルで見せつけたENEOSの底力をファイナルの舞台でも発揮し、チームの真髄を見せつけたいところだ。