3x3女子リーグに参戦した『個性派』シャンテル・オサホー「楽しい経験になる」

2018/07/30
Bリーグ&国内
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シャンテル・オサホー

文・写真=鈴木栄一

NCAAトーナメントのファイナル4進出に貢献

東京オリンピックの正式種目となり、競技自体の注目度が大きく増している3x3の国内リーグ戦である『3x3.EXE PREMIRE』は年々規模が拡大し、今シーズンは現役Bリーガーの参戦も増えている。さらに男子だけでなく、女子部門もスタートし、3x3ワールドカップへの出場経験のある選手たちも参戦。その女子において注目の存在として挙げたいのが、『TOKYO DIME』の一員となったシャンテル・オサホーだ。

ワシントン大学3年次にNCAAトーナメントのファイナル4進出に貢献、昨年のWNBAドラフト全体1位指名ケルシー・プルムとのコンビで同大を全米屈指の強豪に押し上げるなど見事な経歴を誇るオサホー。女子トップリーグであるWJBLが外国籍枠のない状況である今、世界最強のバスケ大国であるアメリカで結果を残した選手のプレーを間近で見られるのは貴重な機会だ。

そしてオサホーといえば、188cmという恵まれたサイズを生かしたゴール下での力強いプレーに加え、ジャンプせずまるでフリースローを打つかのようなフォームで放たれるクイックリリースから精度の高い3ポイントシュートを放つことでも注目を集めた『個性派』である。バスケファンにとってはまさにこの夏の思い出に、見るべき選手と言える存在だ。

「日本に来たのは楽しい経験になると思ったから。最初にオファーを受けてから、流れに身を任せた部分は大きかった。決断するまでに、特に何かを詳しく調べたわけでもないんです」

このように今回の『TOKYO DIME』加入の経緯を語るオサホー。初めてとなる海外でのプレーを決めた背景には、異国での生活に興味があったことが大きい。「もともと留学したいと考えていた。両親はナイジェリア出身で、違う文化を触れ合えるのは素晴らしい経験だと思う。英語が通じないのは厳しいところもあるけど、特に問題ってわけじゃなくて。日本の暑さにも最初は参ったけど、今は大丈夫」と、すぐに順応した様子だ。

シャンテル・オサホー

「私にとっては、ジャンプしないで打つのは自然なこと」

初めてとなる3x3にも不安はない。「これまで練習で少しやったぐらい。3x3の公式ルールの下で出場するのは初めてだけど、特に心配はしていない。人数もルールも違うし、スペースはより大きくなるだろうけどバスケットボールをプレーすることに変わりはないから」

彼女の代名詞となっているクイックリリースの3ポイントシュートは、あくまで自分にとって打ちやすいフォームであって、試行錯誤の末に生まれたものではないと言う。「正確には覚えていないけど、バスケットを始めた頃からからずっとあのフォームで打っている。私にとっては、ジャンプしないでシュートを打つのは自然なこと」

そして意外にも「シュートリリースが速いと思ったことはなくて、高校でも大学でも自分のプレーをしていただけ。だから特別なことじゃない」と語る。

また、ここがアメリカらしいところだが、指導者からフォームを矯正されたことは一度もないそうだ。「このシュートは私にとって一番の武器。それに相手がシュートを防ぎに詰めて来たら、私はそこからドライブすることができる」

「大学であれだけ3ポイントシュートを決められたのは、ストレッチ4的に起用されたから。ポストプレイヤーで私のように3ポイントシュートを打つケースはアメリカでもどんどん増えて来ている。ただ、私のようなサイズとパワーを持った選手が打つのは珍しいことで、そのアドバンテージを生かせたと思う」

「皆さんが満足してもらえるようなプレーを見せられたら」

日本の若いバスケプレーヤーのために、オサホー流のリリースの速いシュートを打つコツを聞くと「私のシュートフォームは真似するものではない。誰かの真似をするのではなく、自分が打ちやすいシュートを打つこと。中には手を加えすぎるコーチもいるかもしれないけど、それぞれ個性は違うものだから」と、自分の感覚を大切にすべきだと語った。

そして大事なのは日々の反復練習だと続ける。「自分にとって大事なのは繰り返し練習すること。何百回、何千回と練習することで、自分のタイミングで試合でも打てる。技術的なことは選手として成長していくことで学んでいける」

昨年は大学院で勉強しながら、チームのアシスタントコーチを務めていたオサホーだが、「将来的にはコーチになりたい考えはあるけど、まだ若いのでプレーしたい。機会があったら外国でもやってみたい」と意欲を見せる。もしかしたら今回の3x3参戦が、その始まりになるかもしれない。

29日に開催された第1ラウンドでは惜しくも準優勝に終わった『TOKYO DIME』。8月5日に開催される第2ラウンドは『TOKYO DIME』の招致ラウンドであり、是が非とも優勝したいところ。そのためには、3x3での初の実戦を終えたことでより競技に慣れたであろうオサホーの大暴れを楽しみにしたい。「是非とも会場にきて私たちを応援してほしい。皆さんが満足してもらえるようなプレーを見せられたらいいと思う」と意気込みを語る彼女のプレーは必見だ。