宇都宮ブレックス

前半を44-28とリードし、付け入る隙を与えずに快勝

1月24日、宇都宮ブレックスがホームで千葉ジェッツと激突。序盤から攻守ともにプレーの激しさで上回ると、第3クォーター終了時に18点差をつける危なげない試合運びで88-76と快勝した。これで宇都宮はリーグ首位決戦で連勝を達成。この試合前まで同率で並んでいたライバルに直接対決での勝ち越しを決めたことで、実質的には3ゲーム差をつける価値ある連勝となった。

第1クォーター、千葉は富樫勇樹の連続得点、ギャビン・エドワーズの3ポイントシュートと大黒柱がけん引し、10-4と先行する。しかし、宇都宮はすぐにディフェンスを修正すると、遠藤祐亮の3ポイントシュートで11-10と逆転。さらに遠藤のスティールから渡邉裕規も長距離砲を沈めて突き放し、千葉はたまらずタイムアウトを取る。その後も宇都宮は強度の高いディフェンスを続け、このクォーターだけで千葉から6ターンオーバーを誘発し、22-16とリードした。

第2クォーターに入っても、宇都宮はゴール下の肉弾戦で優位に立ったことで主導権を渡さなかった。オフェンスリバウンドを取られても、粘りのディフェンスでセカンドチャンスからの失点を防ぎ、トランジションでもチーム全員がしっかりハッスルバックするなど、千葉に走り勝った。

残り1分47秒、千葉はディフェンスリバウンドから素早い攻守の切り替えでショーターが一気にレイアップに持ち込むが、宇都宮はスコットが身体を張って阻止。すると、直後にトランジションで全員が走り、5対2のアウトナンバーからスコットがレイアップを沈める。さらに終了間際にはライアン・ロシターが3ポイントシュートを決めて、宇都宮が44-28で前半を終えた。

なんとか追い上げを図りたい千葉はジョシュ・ダンカンが第3クォーターだけで14得点を挙げる活躍を見せる。前半は不発に終わった3ポイントシュートをダンカン、原修太が沈めることで勢いをつかみかけるが、宇都宮は決められた直後に喜多川修平が連続で3ポイントシュートを入れ返し、千葉に傾きかけた流れをすぐに断ち切った。また、前半に3ファウルを犯し、第3クォーターはベンチスタートのエドワーズが、交代でコートに入って1分も経たない内に4つ目のファウルを喫するなど、リズムをつかめなかった。その結果、宇都宮は危なげない試合運びで千葉に反撃のきっかけを与えないまま楽々と逃げ切った。

宇都宮ブレックス

「今シーズンでも一番、集中力のあるゲーム」

宇都宮は前日の84-64での勝利に続き、2日連続で内容でも圧倒した。安齋竜三ヘッドコーチも、「選手たちは常に我慢しながらオフェンス、ディフェンスともに遂行力高くプレーしてくれました。2試合を通して本当に良いゲームで今シーズンでも一番、集中力のあるゲームでした」と、選手たちのパフォーマンスを高く評価する。

また、安定の堅守に加え、3ポイントシュート7本中5本成功とオフェンスでも存在感を示した遠藤も充実の表情を見せる。「この1週間、しっかり千葉さんに対して準備をしてきて、それを2日間しっかりやり続けることがチームとしてできました。目標としていた2連勝を点差を離して達成できたことでチーム、自分のパフォオーマンスともに満足しています」

そして、攻撃面における試合中の適応力に手応えを感じている。「オフェンスで流れが悪くなると、そこで同じ攻めを続けることなく誰かが気づいて違う攻め方ができる。昨日より今日、相手がアジャストしてくる中で、自分たちがそれを上回る対応ができたことは良かったです」

宇都宮は水曜ゲームがアルバルク東京、週末はサンロッカーズ渋谷と同地区対決が続く。ここで連勝を継続できれば、過酷な東地区の上位争いで一歩抜け出すことができる。

一方、首位争いから大きな後退となってしまった千葉の大野篤史ヘッドコーチは、このように試合を振り返った。「点差は開きましたが、昨日のゲームより戦う意識はありました。自分たちがやれることをしっかり出せたゲームでした。その中で宇都宮さんとの差をはっきり見せられてしまったと思います」

千葉が修正力に優れ、逆境から這い上がる力を持っていることは、Bリーグ開始時からこれまでの歴史が示している。この連戦は厳しい結果になったが、浮き彫りになった課題をどう改善して巻き返していくのか、その歩みに注目だ。