宇都宮ブレックス

インサイド陣が奮闘し、主導権を握る

千葉ジェッツvs宇都宮ブレックスのゲーム2。制空権を支配して3ポイントシュートが効果的に決まった宇都宮が85-68で勝利し、前日の雪辱を果たした。

安齋竜三ヘッドコーチが「ディフェンスのもともとの強度やエナジー」を勝因に挙げたように、宇都宮は序盤からエナジーを前面に押し出すことで試合を優位に進めた。比江島慎がオフェンスファウルを誘発するなど、第1戦で22得点を許したシャノン・ショーターから開始5分で2つのファウルを引き出して、コートから追いやる。そこから徐々に宇都宮がペースを握ると、ジョシュ・スコットとライアン・ロシターがインサイドで加点し、渡邉裕規とLJ・ピークが3ポイントシュートを沈め、17-11とリードした。

第2クォーターに入り、千葉のガード陣にアグレッシブに攻められたことで、宇都宮は開始2分でチームファウルが5個に到達してしまった。フリースローを与え、2点差まで詰め寄られたが、宇都宮はここで我慢し逆転を許さない。強固なディフェンスの前にイージーな速攻は生まれなかったが、宇都宮はトランジションを速め、相手の陣形が整う前にオフェンスを開始したことで、優位な状況を作った。

すると、ジェフ・ギブスのポストアップでディフェンスを収縮させ、インサイドアウトから渡邉裕規、遠藤祐亮、ライアン・ロシターが3ポイントシュートを成功させ、40-30とリードを広げて前半を終えた。

宇都宮ブレックス

「負けているチームのほうがファウルが少ないのはあり得ない」

千葉の大野篤史ヘッドコーチが「第3クォーターの出だしは残念の一言に尽きる」と試合後に語ったように、点差を詰めたい千葉だったが、ディフェンスのインテンシティが上がらず、反撃の一手が見つからなかった。

ロシターやスコットがゴール下の戦いを制し、インサイドで着実に加点してリードを保った宇都宮だったが、攻守で存在感を見せていたピークが足を痛めてしまい、交代を余儀なくされた。ここで詰められてもおかしくなかったが、チーム一丸となってこの難局を乗り切る。ここで輝いたのが喜多川修平だった、トランジションからノーマークでボールを受け3ポイントシュートを成功させると、その約1分後にも3ポイントシュートを成功させ、63-42とリードを拡大した。

その後も集中力を切らさなかった宇都宮は盤石な試合運びで千葉を寄せ付けず、17点差で快勝した。

安齋ヘッドコーチは「プレッシャーも最初からかけ続けて、ピック&ロールを簡単に使わせず、ちょっとずつズレを作ったり。自分たちがやるという部分が昨日とは全然違った。やるという意識とエナジーで上回れたのは成長」と、会心の勝利に手ごたえを感じた。

一方、大野ヘッドコーチは具体的な数字を交えて積極性が足りなかったことを指摘し、敗因をこう語った。「自分たちのほうがアグレッシブにいかないといけないのに、彼らはファウルを27個使って僕たちは15個。負けているチームのほうがファウルが少ないのはあり得ない。ディフェンスのインテンシティが低くて、オフェンスが単発になってしまった。その結果アシストは9個で彼らは23個。彼らはチームでオフェンスし、チームでディフェンスしたから勝利に値したと思っています」

初戦で22得点を許したショーターを12得点、セバスチャン・サイズを5得点に封じ、特にインサイド陣の奮闘が目立った宇都宮が見事なバウンスバックを果たした。実力伯仲のチーム同士の対戦程、気持ちの強さが勝負を分ける。それを象徴する1節だった。